そんな軽い気持ちでダンジョンの最下層へと降りていってから、三日過ぎた。
道中はドラップの過去話をbgmにしながら、モンスターを狩っていったのだが、出てくる数が多い。
入り口で待機していたドラップ曰く、ドラップが死んでから俺がくるまでの数年以上は冒険者が来なかったらしい。
そのため、ただねずみ算のように増えていた蜘蛛の小型モンスターが俺に襲いかかってきた。少なくとも数億匹はいただろう。
残念ながら、俺はRPGでいう全体攻撃魔法的な能力を吸収融合していなくて、ひたすら剣を振り回して、地道に敵を倒すことしかできなかった。無論、死体は全部吸収した。
結果、蜘蛛が持っていた蜘蛛の巣の糸を作る能力ばかりがパワーアップしていた。ステータスの説明だと、普通の剣を振り下ろしただけでは切れないくらいに頑丈な糸を出せるらしい。
そして今、ちまちま蜘蛛と戦っていた俺は、やっとの思いで最下層に無事着いたのであった。
「こっちだ、スライムのお嬢ちゃん」
ドラップが道案内で先行をする。
ドラップは俺が彼の荷物を回収するところを見届けたら、成仏するらしいとのこと。他の人に漏れる可能性がないと判断した俺は、早々に自分の正体がスライムであることをバラした。まあ、吸収融合をダンジョン内のモンスター達に使いたかったっていう理由もあるが。
この話をドラップは俺がスライムであることに驚かなかった。
理由はドラップの奥さんが関係している。
ドラップの奥さんは人間に友好的なサキュバスであり、多くの魔物とも知り合いであったらしい。その中には人間の姿になれるスライムがいたとのことだ。
ドラップは冒険者である身であったが、奥さんに一目惚れした。そして、ドラップが何度も愛の告白をして、奥さんとゴールインしたらしい。
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