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/tachiha/ - たちは板κ

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2bfd3c43 No.1698

8ab7a963 No.2104

目の前に落ちている肌色の、人型をした皮を手に取って着ていく。
脚を通せばすらりとした細い脚に変り、
腰を穿けば垂れ下がったイチモツが跡形もなくなってなだらかな丘になる。
腕を通せば力仕事なんて無理と言わんばかりの柔らかさを持ち、
肩を合わせれば膨らんだ胸のバランスに新鮮な味わいがある。
そして最後に頭を入れて眼鼻と口を合わせれば、ライトピンクの髪の毛が視界の端に揺れて見える。
背中に出来た穴をぴったりと閉じれば、

「ほら、もう誰も見分けがつかない」

喉から出てくる俺の声は、男としてのものではなく、女の子の可愛い声になっていた。

記憶を読みながら下着をつけて、誰もいないのにわざとらしく“女の子”ぶる。

「私の名前は上原太刀葉。高校2年生、3サイズは上から82-58-84。引っ込み思案で自分の言いたい事をなかなか言い出せない、控えめな女の子……。くくくっ」

自分のことを言いながら、最後は『上原太刀葉』らしからぬ笑みを浮かべてしまった。

いけないいけない、このままだとバレるかもしれないな。

8ab7a963 No.2105

俺は吸血鬼の黒須清彦。何の因果か、実は存在していた吸血鬼に血を吸われ、同じく吸血鬼になってしまった男だ。
最初は人間でなくなったことを驚きもしたが、その考えはすぐに変わって、人間じゃなくなった万能感に酔いしれていた。

幸い、日光に当たっても即死することはなく(ただしすごい不愉快な気分になる)、人間のフリもできていたが、次第に吸血欲が強くなっていった。
そして俺は、同じ市内にある女学園の生徒を狙って、襲い、血を吸ったのだ。

その結果が、これだ。
俺が血を吸いきった相手はぺらぺらの皮状になり、その気になれば吸血した相手の魂と記憶、技術と経験全てを同化吸収し俺のものにできるようだ。
今や俺は黒須清彦にして上原太刀葉であり、俺が彼女に成りすます事など造作もなくなっている。
だけど吸った人間が全てこうなってしまえば、その度に行方不明者が出て、おいそれと血も吸えなくなる。本当に必要な時にやった方がいいだろうな。

下着姿になって、俺は自分の新しい身体を見回してみる。

「これが女の子の身体なのか。……いいじゃないか」

吸血鬼としての変身能力もある為、皮にこだわらなくてもいいかもしれないが、見た目はやっぱり男より女の方がいいよなァ……。俺も変身して女の子の姿になろうかな。

とはいえ、この後はどうしようか……。

#A.自分は女の子に変身して、太刀葉の皮は人間時代の友人にあげる
#B.太刀葉の皮をかぶったまま、人間時代の友人をからかいに行く
#C.自分は女の子に変身して、女学園に潜入し、次の獲物を見定める
#D.太刀葉の皮をかぶったまま女学園に潜入し、次の獲物を見定める

3ccc1f9d No.2112

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#B.太刀葉の皮をかぶったまま、人間時代の友人をからかいに行く

太刀葉の制服に着替えた俺は、学校帰りの自然な雰囲気を装って街へ出た。
時刻は夕方、バイト帰りの俺の友人である鈴木敏明がいつものルートを歩いてくる頃合いだ。
鞄を肩にかけ、軽く髪を整えながら、ふとハンカチを地面に落とすように手を滑らせた。
ピンクのハンカチが風に舞い、敏明の足元に向かった。
「あ、しまった…ハンカチを落としたかな?」と小さく呟き、慌てたふりで周りを見回す。
敏明がハンカチに気づいたようだ。
地面に落ちたハンカチに気づき、拾い上げて周囲を見回したその瞬間、俺はタイミングを見計らって近づき、
「あっ!そのハンカチ、私のものです。拾ってくれてありがとうございます♪」と明るく声を掛けた。

3ccc1f9d No.2113

敏明は一瞬驚いた顔をした後、拾ったハンカチを手に持ったまま俺——いや、太刀葉の姿を見上げてきた。
「え、あ、うん、大丈夫だよ。落とし物は気をつけてね」
と、少し戸惑いながらも優しい声で返してきた。
彼にとっては見知らぬ女の子からの突然の声かけに、少し警戒しているのかもしれない。
俺は太刀葉の控えめな性格を意識して、少し頬を赤らめるようにしながら
「あ、ありがとう…。ちょっとドジっ子で…恥ずかしいです」
と小さく笑ってハンカチを受け取った。
敏明は「いや、気にしないで」と笑顔で返し、その場を去ろうとしたが、俺はさらに一歩踏み込んでみることにした。
「あの…その…この辺に住んでる人ですか?私、ちょっと道に迷いそうで…」
と、わざと困った表情を浮かべてみた。
敏明は少し考え込むように眉を寄せた後、
「ああ、俺はここの住人だよ。どこか用事があって来たの?」と興味を示してきた。
これで会話が続くチャンスができた。
俺は内心ニヤけそうになるのを抑えながら太刀葉の記憶を頼りに自然に振る舞い続けた。

8ab7a963 No.2118

「はい。実は友達から、この近くにある喫茶店のケーキが美味しいって聞いて、行ってみたくなったんです」

そう言いながら、友達から送られてきた写真を敏明に見せてみる。
お友達から聞いたことや、喫茶店に行ってみたくなったのは『太刀葉としては』事実だ。

「そうなんだ。ここなら知ってるから、道案内できるよ」
「本当ですか? ありがとうございます…!」

男だったら勘違いしてしまいそうな笑顔を浮かべてみれば、敏明は顔を赤くして、

「い、いや、大丈夫だよ。ここからそんなに遠くないし、大した手間じゃないから…」

と、しどろもどろだ。それを見て内心でほくそ笑んだりしてみる。
わるいなぁ敏明、お前が顔を赤くしてる女の子は俺なんだよ。

そんな会話を行いつつ、敏明に道案内をしてもらう。俺も敏明も、その喫茶店は知っているが、今まで入った事は無いのだ。
何故なら、店員さんが可愛い女の子ばっかりで、男の俺達は入れなかったのだ。
だが今なら、誰に気にすることなく入れる!

8ab7a963 No.2119

そうして5分ほど歩きつつ、ちょっとずつお互いの事を話していきながら、目的の喫茶店にたどり着く。
街中とはちょっと雰囲気の違う、モダンな感じの建物の前に、ブラックボードが『OPEN』の文字を見せていた。
俺は太刀葉として、友達から送られてきた写真と建物を見比べて、改めてここに来たかったのだと知る。

「ここです…! ありがとうございます、えぇ、と……」

そうして敏明に礼を言おうとして、そう言えばお互い名乗ってなかったと思い至る。
敏明もそれに気づいたのか、お互いに言葉を出せずも、『太刀葉として』頑張って名乗ることにした。

「あ、あの、私、上原太刀葉、です。…お名前、うかがっても良いですか?」
「そ、そっか、そうだな。俺は鈴木敏明。高校生、だけど……」
「私も高校生ですよ。…この近くの高校の制服、ですよね?」
「そういう上原さんは、確か虹峰女学園、でいいよね?」
「はい。同じ市内だけど、学園からここの場所がちょっと遠いので、初めてここに来たんです」
「そうなんだ。…そ、それじゃ、俺はこれで……」

と言って、敏明は気恥ずかしさから、そそくさと帰ろうとしていく。
そんな敏明に向けて、俺は言うのだ。

#A.「一人で入るのもなんですし、一緒に入りませんか?」と誘う
#B.「ありがとうございました」と見送る

>敏明は清彦が吸血鬼であることを
#α.知らない
#β.知ってる

3ff900d2 No.2121

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#A.「一人で入るのもなんですし、一緒に入りませんか?」と誘う

>敏明は清彦が吸血鬼であることを
#α.知らない

敏明が気恥ずかしそうに去ろうとするのを見て、俺は少し考えてから声をかけた。
「一人で入るのもなんですし、一緒に入りませんか?」
と、太刀葉の控えめな口調で優しく誘う。
敏明は一瞬立ち止まり、振り返って俺——太刀葉の姿をじっと見つめた。
顔がまた少し赤くなり、目を逸らしながらも、
「え、えっと…いいの?」と小声で返してきた。
内心でほくそ笑むのを抑えつつ、俺は首を振って微笑んだ。
「うん、ありがとう…。初めて来る場所だから、ちょっと緊張してて…」
と、太刀葉の引っ込み思案な性格を活かして少し恥ずかしそうに付け加える。
敏明はしばらく逡巡した後、
「まあ、なら…付き合うよ」と頷き、ぎこちなく笑った。
そうして二人で喫茶店のドアを開けると、甘いケーキの香りが漂ってきた。
店内には可愛らしい制服の店員さんが忙しそうに動き回り、俺は太刀葉の記憶を頼りに自然に振る舞いながら敏明と一緒に席に着いた。
敏明はまだ少し緊張しているようだが、メニューを手に持つ手が少し震えているのを見て俺は内心でまた笑いを堪えた。
「何かおすすめありますか?」と太刀葉らしく俺が尋ねると、敏明は
「えっと…俺はよく分からないけど、ここのチーズケーキが評判いいって聞いたことがあるかも」
と答えた。
会話が弾み始め、俺は太刀葉としてさらに彼をからかうチャンスを窺いながら、楽しむことにした。

8ab7a963 No.2139

注文をして少し。コーヒーとチーズケーキが2つずつ配膳された。
「敏明さん、砂糖とミルクは入れますか?」
さすがに太刀葉として、ブラックコーヒーは苦くて飲めないから、自分用に入れるついでに敏明にも訊いてみたが、
「いや、俺は大丈夫。いつもブラックで飲んでるから…」
と言ってくる。それを聞いて内心笑ってしまいそうになるのを堪えた。
敏明も苦いコーヒーはあまり得意ではなく、ミルクも砂糖も入れているというのに。
「そうですか…? もし必要なら、遠慮せず言ってくださいね?」
俺(太刀葉)は角砂糖を二つとミルクを入れて、敏明はブラックのままコーヒーを口にする。敏明は苦そうにしているが、俺は気付かないふりをした。
そうして次はケーキを食べてみたが、確かにチーズケーキの評判の通り、美味しい。太刀葉としての口で味わってるからというのもあるだろう。
「ケーキ、とても美味しいです…!」
「そう言ってもらえて助かるよ。おすすめした手前、口に合わなかったらどうしようかと思った」
敏明もケーキを食べようとフォークを取った瞬間、俺は頃合い良しと見て、
「…と、敏明さん。あーん……」
と、ケーキを敏明に食べさせようとしてみた。



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