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人生何がおこるか分からない。
社畜だった清彦こと僕は、金髪美女のリーフになっていた。
どうしてこんなことになったかと言うと。
「久しぶりだね清彦君!俺、敏明だよ!覚えているかな?」
帰宅途中、僕は中学時代からの親友だった敏明と再会した。
声をかけられた時は、あまりの変貌っぷりに誰だか分からなかった。
まさか、あの地味だった敏明が男の僕が見てもイケメンだと思うくらい格好良くなっているなんてな。
「マジで敏明なの?お前変わったな。元気にしてた?」
敏明との久々の再会に、僕は空元気で強がる。
社畜で死にかけている姿なんて、親友には見られたくなかったから。
でも、敏明は全てお見通しだったようで、僕の偽装工作も無駄に終わる。
「無理しなくていいよ清彦君。ブラック企業で神経すり減らしているんでしょ?ねぇ、清彦君さえ良かったら俺の提案に乗る気はない?」
ただ、社畜で疲労困憊だった僕は、敏明が不適に笑っていた事に気付けなかった。
まさかこの提案が、僕の人生を大きく変える事になるなんて。
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敏明との出会いは、中学生の時だった。
当時、地味で太っていた敏明はクラスでイジメられていて、それを僕が止めさせた。
英雄になりたかったわけではなく、ただ、イジメていたヤツらが目障りだっただけ。
見返りを求めて助けたわけではないのだが、まさか敏明がそのことをずっと覚えていたとは。
「このままブラック企業で働いていたら清彦君は死んじゃうよ?死んじゃってからじゃ遅いよ!」
「と言われても僕を雇ってくれるのはあの会社だけだから」
敏明をイジメていた連中の一人が、社会に影響を与える会社の社長の御曹司だった。
そのせいで、御曹司の息がかかった会社への就職はできず、ブラック企業で働くことを余儀なくされた。
今でも御曹司には苛立つが、僕が勝手にやったことなので敏明が負い目を感じる事ではない。
でも敏明の性格上、ずっと申し訳ないと思っていたんだろうな。
「ねぇ清彦君。俺に清彦君を養わせてもらえないかな?」
五十連勤のせいかな?今、僕を養うって聞こえた気がするんだけど。
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「えっと・・・ごめん。今『養う』って聞こえた気がするんだけど、気のせいだよね?」
「清彦君の耳は間違ってないよ!俺、今は海外で立ち上げた会社の会長をしているんだ!だから、清彦君一人なら養ってあげられるよ」
敏明のトンデモ発言に色々とツッコミたいところはあったけど、疲労困憊の僕にその気力はなく。
働いても働いても労力と釣り合わない薄給に嫌気も差していた。
敏明の提案に乗れば、僕は一生働かなくても生きていける!
そんな素晴らしい提案に乗っからないなんて勿体ないよな?
「本当に養ってくれるのか?こんなズタボロでガタガタのポンコツを」
自分でいうのも虚しいが、ブラック企業に絞り尽くされた僕の体は立っているだけでもギリギリの状態だ。
こんな状態で敏明のお世話になったら、即入院で敏明に介護させてしまうだろう。
申し訳なく思う僕を余所に、全てが想定内だったのか敏明は、さらにトンデモない事を口にする。
「実は清彦君を受け入れるにあたって一つだけ俺の条件を呑んで欲しいんだけど」
「まぁ無条件で養ってくれるなんて都合が良すぎると思ったよ。それで、条件とは?」
「会社のお得意様の娘さんにリーフって子がいるんだけど、事故に遭って植物状態なんだ」
「あの~医者に見えます?」
此方の情報は敏明に筒抜けの筈なのに、植物状態の人間の話をされても困る。
いや、僕がそういう反応をする事は敏明なら分かっていた筈だ。
まさか、その植物状態の娘と僕を養う事が関係しているのか?
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「清彦君の体はブラック企業で絞り取られてズタボロなんだよね?動ける体が欲しくない?それに、清彦君が女の子の体になってくれたら抱けるじゃないか!」
おい!最後!本音を吐露しやがったな!
まさか、敏明が僕の事をそんな風に見ていたとは。
まぁ「野郎同士でやろう」って今まで迫られなかっただけマシか。
・・・マシなのか?
「ちょっと待って!色々とおかしな事言ってるぞ敏明!僕が女の子の体になるってどういう意味だ?」
「あっごめん、言い忘れていたね。実は俺の会社、秘密裏に憑依の研究をしているんだよ。それで、清彦君さえ良ければリーフの体に憑依してみない?って提案なんだけど」
「色々と端折りすぎなんだよ!」
そんなこんなで冒頭に戻る。
#プロローグが長くなってしまった。
#リーフの名前は、双葉を英語に変換。
#条件は1つだけ。
#リーフの肉体と深く繋がると、リーフの肉体に引き寄せられていく。
#簡単にいえば「徐々に日本語が話せなくなっていく」みたいな感じ
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「そのリーフさんの親御さんは植物状態とはいえ、愛娘の身体をどこの誰かと知らない人間に使わさせるとか納得しているのか?
また憑依ってあの憑依だよな?
オカルトじみた実験をして訴えられたりしないか?」
「うん、それは大丈夫。むしろ先方が望んでいるんだ。
なぜなら清彦がリーフになることでそれが呼び水になって、リーフが覚醒する可能性が高くなるからさ。
また清彦じゃなきゃダメなんだ。
リーフに憑依自体は誰でも可能なんだけど魂の相性っていうのかな。
呼び水になる魂の波動は清彦が俺やリーフのご両親より百倍近いことがわかっているんだ。
なんでわかるかって?
ほら、中学の時にやったあの実験だよ」
まさか中学の時に敏明がハマッていたオカルトが本物だったとは。
「リーフに憑依するだけで1回につき百万円。それとは別に1時間1万円の時給がリーフのご両親が支払われるよ。事前にね」
「! マジで!?是非ともやらしてくれ!」
俺は即答した!
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「ただいま~。久しぶりの我が家だけどやっぱり落ち着くなぁ~♪」
敏明の住まいはタワマン最上階のワンフロアー全てだった。
聞いてはいたが敏明メチャ金持ちじゃん。
それでもリーフ嬢の超が三つくらいつく豪邸からすれば安いものなんだろうが。
で俺はリーフちゃんから幽体離脱して自分の身体に戻り、懐かしい我がアパートに帰宅した訳だ。
何しろリーフちゃんの身体で過ごしたあの豪邸では常に数人のメイドさん達に付きまとわれていたからなぁ~。
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アパートはきれいに片付けられていた。
敏明がハウスキーパーを依頼してくれていた。
もちろん、その話は事前にあっているし、俺自身も同意をしている。
俺も冷蔵庫から異臭がしても嫌し、久しぶりの自宅ですぐに掃除とかをする体力、気力もないと思ったからだ。
とりあえず、家に着いた俺はいつもルーティンで、コーヒーを淹れていた。
コーヒーはリーフ宅でメイドがいれてくれたものよりも、美味しくなかったが、気持ちはすごく落ち着いた。
まぁ、豆の値段がぜんぜん違うのだからしかたがない。
で、自分の体の舌にはこれがちょうどよかった。
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久しぶりに男のオナニーして気持ちよく射精したし、その後の狭い風呂も気持ちよかたし
くたびれたシングルベッドでもぐっすり熟睡快眠を貪れた♪
社畜の頃は週に数回、ホント寝るためだけに帰っていた部屋だが
誰に気を遣うことなく、一人で過ごす時間も素晴らしいコトであると改めて実感する。
さて、清彦でいる時間は素晴らしいが
日本でならリーフ嬢の身体での生活も向こうほど息苦しくは無いハズだし、少しでも早く呼び起こしてあげたいからリーフ嬢になりに行きますか。
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敏明のマンションに到着してからすぐにリーフに憑依した。
体を自宅アパートに置いてきてもよかったのだが、アパートで火事とかがあって俺の体がなくなってもこまる。
だから、安全性が高い敏明のマンションを選んだ。
それとすぐにリーフに憑依したのは、敏明だって男の俺よりも可愛いいリーフ嬢と話した方が嬉しいだろう、との俺の気遣いだ。
「それで今日はどうする?」
敏明は今日の予定を聞いてきた。
俺は特に予定はないため、「敏明にまかせるよ。まぁ、リーフにとって刺激がある方が、覚醒がはやまるなら、その方がいいかもしれないけど」
そんな返事をした。
「なら、買い物に行こう!こっちでリーフとして使うものを買いに行こう。」
することもないので、その提案にのることにした。
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敏明に連れてこられたのは高級ランジェリーショップだ。
「おい…確かに任せるとは言ったが…男の俺にはハードルが高いしやめないか?」
「今の清彦は誰が見ても美少女のリーフだ。誰も男だとわからないさ。
それにリーフは知っての通り、本物のお嬢様。下手なモノを着けさせられないしさ。
大人しくオーダーメイドの下着を購入するんだな。
しばらく日本で生活するならリーフとして生活基盤をしっかりしないと」
そう言われるとリーフ嬢の身体で日本に戻って過ごしたい!って言い出したのは俺だしなぁ〜。
仕方ない。
※採寸はメチャ恥ずかしったよ。😅
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採寸後は下着のデザインを選んだ。
敏明は「とりあえず10枚ぐらい。人気のデザインで、それぞれ別のやつね。」だけ、言って終わらせようとしていた。
しかし、身に付けるのは、俺とリーフ嬢なわけだから、「デザインはゆっくり選ばせてください。敏明さんお願い。」と伝えた。
周り店員さんもいたから、言い方はリーフ嬢モードで言ったら、敏明は赤面させて「そ、そうだな。デザインも大切だしな。」と返事をしてきた。
あぁ、リーフ嬢モードの発言で照れているのか。
店員もなにかさっしたのか、「お連れ様はこちらでお待ちください」と別室に案内していた。
何をどう察したのかは、気にしないことにした。
店員さんから、生地やデザイン、色の提案を受けて、リーフ嬢に似合うものをいくつか提案された。
でも、なぜだか、1セットだけでもいいのでと、セクシー系の勝負下着を持つことを勧められた。
これも、何を察して提案してきたのかは、気にしないことにした。
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ランジェリーショップの後は服だ。
ブランドのお店ではパーティードレスをセミオーダーで2着買ってもらった。
普段着もブランドで買ってくれると、敏明は言ってくれたが、ユニクロとH&Mに行くことにした。
それなりのものがそれなりに揃うので、問題ない。
それにリーフがしっかり着こなしたら、ユニクロ、H&Mでもかなり可愛く見える。
要は可愛いは無敵だ!と言う事だ。
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いろんなお店を回ったら結構疲れてしまった。
リーフ嬢の体力がそんなにないのに、調子にのって、自分の体の感覚で動いてしまったのも原因だろう。
敏明はそんな俺(リーフ)の様子を見て、カフェで休憩しようと提案してくれた。
敏明が案内してくれたのは静かなカフェだった。
俺はスタバとかかな、と思っていたので以外だった。
お店に入ると、奥の個室に案内された。
いわゆるvip室だ。
カフェにもそんなものがあるんだと感心した。
敏明は店員に「いつものを2つ。」と注文したあと、「あぁ、女性には甘いものがあった方がいいかも。お任せで、ケーキを1つ」と注文をした。