#>>618からの続きです。「ふざけんな!何が赤ちゃんだよ、クソッ!」
読み終えた手紙をぐしゃぐしゃに握りつぶし、八つ当たりをするようにゴミ箱へと放り投げる。
何が2つの選択肢だ。どっちを選ぼうが、結局は女として子供を産むハメになるんじゃねえか。
もちろん子供をおろすことが倫理的にマズイってことは分かるし、ゴリマッチョがそれをやめろと言ってくるのも教育者としてはある意味当然のことなんだろう。
けど……だからと言って受け入れられるはずがない。そもそも妊娠してること以前に、自分がこれから一生女の身体のまま生きていくことすら受け入れたくないのだから。
「……そうだ。あいつは……敏明は結局、どうすることにしたんだ……?」
ふと、俺と同じ境遇になったらしい敏明のことが頭に浮かんだ。
ゴリマッチョから話は聞いたものの、正直言ってあいつが俺と同じように妊娠した……というより、男とセックスをしていたというのが信じられない。
というのも敏明は今時珍しく髪を染めてピアスをバチバチに開けているような不良で、先月の性処理委員に選ばれたものの怖がってほとんどの生徒が性処理を頼めなかったのだ。
……いや、そういえば一度だけ命知らずな奴が女になった敏明とヤってるのを見かけたことがあったが、もしかしたらその時に孕んでしまったのだろうか。だとしたら運がなさすぎる。
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