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/tachiha/ - たちは板κ

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f2e20ec0 No.1722

142c954d No.1853

俺は一目惚れをした。
ハートを奪った相手の容姿は漫画やアニメでよく見る美少女と同格の顔立ちをしていた。そして、彼女の所作は一本の黒百合のごとく儚かった。歩く姿は百合の花とはまさにこのことだろう。
これだけなら、美人を見つけた男の話で終わったのだろう。絶対に叶わなそうな恋物語と称して、俺は彼女の後を追うことをしてなかっただろう。出会った場所が大都会の大通りならなおさらだ。
しかし、彼女を見つけた場所は有名ブランド店が並ぶ高級街でもなければ、ハイスペック社会人が集う会社ビル群でもなかった。
そこは都会とも田舎ともいえない中途半端な市内にある公園の男子トイレであった。

142c954d No.1854

最初、彼女が男子トイレの個室から出てきたのを見た時、俺はアメリカのドッキリかと思うくらいにビックリした。
しかし、彼女は路傍の石かのごとく俺に興味を示さず、終始歩きスマホの状態で外へと出ていった。
彼女が出ていった後、尿が出たはずの逸物にまた液体が溜っていった。そして、彼女が一体何者なのかという好奇心が熱湯のごとく湧き上がってきた。
俺は急いで手を洗うと、彼女にバレないようにこっそりと後をつけることにした。おそらく、警察官に見つかれば一発アウトのような身振りをしていたと思うが、第一優先が彼女の尾行であったため、そんなことを気にしている理性はなかった。
結果論では警察に捕まらなかったが。

142c954d No.1950

ずっとスマホを彼女は裏路地へと進んでいく。
もしかしたら彼女は売春関係の行為をやっているか、それとも家がこの近くなのかと、俺はドキドキしていた。
そんな不純を彼女は知らないまま一度立ち止まり、とある建物へと入っていった。
俺は彼女が建物に入ってしまったので、ストーキング行為をやめようと思った。
最後に、彼女が入っていった建物を全体的に見ることにした。
外観は白い立方体であり、平成初期の頃に立てましたと感じさせる。また、窓が見える範囲で二つしかないので、非常に日当たりが悪そうだなと思った。
そして、近くの看板には「TS系統研究所」と墨で書かれていた。
彼女は研究職員だったのかと、俺は結論づけて帰ろうと動いた。そして、
『やあやあ、ストーカーくん。君の怪しい一部始終を見させてもらったよ』
俺は背後にいたドローンに声をかけられて驚いた。

146a3efb No.1963

「ど、ドローン!?もしかしてさ、最初から…」

『その通り。彼女を見張るために監視していたのだよ。君がストーカーをしているとは思わなかったがね。さて、話を戻そう。此方にはドローン映像がある、君が彼女をストーカーしていた決定的な証拠がある以上。迂闊には行動する事は出来ないはずだ』

ドローンから聞こえる音声で俺は動揺していた。好奇心が抑えきれずに彼女を尾行していたら、いつの間にか絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。

「ま、まさか、実験台になれとでもいうのか?」

『察しが良いね?まぁ、一つだけ言えるのであれば、"君に対してはメリットがある'と言うことだ。一先ず、研究所に入りたまえ。案内は私の助手に向かわせる。勿論、嫌ならこの場で立ち去っても良い。さぁ、どうするのかな?』



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