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学校からの帰り道、バニーガールの衣装を持ったおっさんが駅前を彷徨いていた。
誰かを探しているのかキョロキョロしている。
ニヤついた様子から物色している感じだった。
そこに俺の学校では有名な太刀葉先輩が通り掛かった。
おっさんは太刀葉先輩を見るとニヤリと笑いコソコソと後ろをついていく。
嫌な予感がして俺は路地裏に消えた2人を追い掛けたが、なんとそこにはまさにたった今
バニーガール衣装に着替え終えた太刀葉先輩が1人いただけだった。
まるでなんだお前?って顔でこちらを振り返る太刀葉先輩。
美化委員会で何度か一緒に行動して少し会話をした程度だが互いに知っている認識だったが、今の顔はあきらかに見知らぬ他人を見る顔だった。
その他人を見る顔とバニーガール姿の太刀葉先輩に驚いてついUターンしたがおっさんは太刀葉先輩にバニーガール衣装を渡して走り去ったのか?
まるで消えたようにどこにも姿が見えなかったが…。
不思議なことが起こり過ぎて混乱している。
太刀葉先輩のバニーガール姿、じっくり見たかったが見たら嫌われるだろうな。
見に戻りたくなる気持ちを抑え込む。
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「あの、先輩?」
「ん?なんだ?お前……ああ、もしかしてこの身体の知り合いか?」
「え?う、うん。俺、同じ学校の清彦って言います。」
奇妙な言い方をされたので、思わず答えてしまったがこの身体ってなんだ? まるで別人のような言い方に俺は混乱した。
しかし……太刀葉先輩の身体は……。
胸は巨乳だし腰もキュッと引き締まっている。
お尻もプリっと上向きで安産型の大きなお尻だ。
足もムチッとしていて太ももがムチムチしている。
顔や腕も華奢だが綺麗な白い肌だ。
そしてそんな身体を包むバニーガールの衣装は、 黒に白がアクセントのレオタードで、 胸元と肩が露出し胸の谷間が強調されている。
俺は思わずゴクリと唾を飲んだ。
あの胸を触りたい!揉みたい!吸い付きたい! そんな欲求がムクムクと沸き起こる。
いや待て落ち着け俺! 相手は太刀葉先輩だぞ!? しかし……この身体……本当に太刀葉先輩なのか?
「清彦か。で、どうした?」
「え?ああ。なんか駅前で変なおじさんが太刀葉先輩の後をコソコソとついて行っていたので……」
「はぁ?……あ〜。そういうことか……。」
先輩は溜め息をついて頭を掻いている。
その仕草も太刀葉先輩らしくない。
「つまり見てたってことか?」
「な、何をですか?」
「とぼけんじゃねぇよ。俺がこの身体を着る所見てたんだろ?」
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ファスナーを握っていたら自然と使い方が知識としてわかった。
人間をペラペラの皮にして内臓やら筋肉や骨格を一時的に消して、元の身体より体格体型など大柄な人間、しかも性別さえ関係なく着れて本人そのものになれる不思議なファスナーだ。
握っているだけで使用方法を使用者の脳にダウンロードするくらい、できて当たり前なのかも。
俺、清彦の姿は太刀葉先輩を乗っ取ったあいつに認識されている。
清彦の姿では何か探っているとか警戒されるだろう。
申し訳ないけど先輩と仲の良い周囲の人たちの身体を借りて近付き、
調べてベストのタイミングで先輩の身体の中のあいつを引き摺り出さなければならない。
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だ、だからちょっとぐらいなら……色々な身体を着てみてもいいよな?
ゴクリと唾を飲んだ。
さっきから心臓がバクバクしてるし、汗も出てきてる。
だ、誰に使おう
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太刀葉先輩のような美少女が街中をバニーガール姿で闊歩しているのに誰も気にしているように見えない。
いや、正確にはチラチラ見ている人もいるのだが、バニーガールという格好に違和感を覚えている様子は見られない。
もしかしたらあのバニーガールの服も皮モノファスナーと同じで不思議な力が働いてるのかもしれない。
(なんて羨ましい。俺も太刀葉先輩の身体でバニーガール衣装を着てみた……、いやいや何を考えているんだ!)
首をブンブン振って邪念を振り払った。
うん、とりあえず自宅へ帰ろうか……。
「清彦くーん!どうしたの?」
振り返ると、そこには隣に住む新婚の若奥さん、若葉さんがいた。
母の友人の娘で昔から家族ぐるみの付き合いがある。
「顔色が悪いから声をかけたの……。大丈夫?」
若葉さんは俺の顔を覗き込みながら、心配そうにしている。
「あ、うん。ちょっと考え事してて……」
俺は慌てて取り繕ったが内心はドキドキしていた。
(この身体なら尾行しても気が付かれないかも)
若妻さんの身体はスラッとしたモデル体型だ。
身長も高く、スタイルも良くて美人だ。
(い、いや容姿は関係ない!)
俺は頭を振り払って作戦を練る。
「ちょっと相談したいことがあるんです。向こうで話しを聞いてくれませんか?」
「あ、うん。わかった。」
若妻さんは少し戸惑いながらもついて来てくれるようだ。
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そのまま間髪を容れずにファスナーを開ける。
若葉さんは何をされたか認識する間も無く意識を失い皮となった。
「おお、本当に皮になった。」
俺は若妻さんの皮を手に取る。ほんのりと温かみを感じる。
(若葉さんごめん!)
でもこれも先輩を助けるためだから……。
俺は皮から漂う若妻さんの匂いにドキドキしながら、 若妻さんの皮を着込んでいく。
まずは足先から……。
足の指先に皮が触れた瞬間、ゾクッとした快感が走った。
そのまま両足を入れていくと、まるで若葉さんが俺の足を受け入れているかのようにピッタリとフィットした。
(これが皮モノファスナーの力なのか?)
俺はその感触に驚きながらもさらに上へと上げていき、残りは顔だけになった。
俺はゴクリッと唾を飲み込む。
そして意を決して、顔を被るとファスナーを上まで上げた。
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(ま、まぁでもまずは身体の確認だな。変な所があるとバレるかもしれないし)
ドキドキしながら、若葉さんのスマホを取り出す。
顔認証でスマホが起動する。
カメラを自撮りモードにしてから若葉さんを映す。
「うわ〜、俺本当に若葉さんになってる……。」
俺は興奮しながら鏡代わりにスマホを色んな角度から確認した。
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ドタドタと公園を飛び出して、太刀葉先輩(?)がいた場所まで走る。
しかし、やはりと言うべきか、もう既にそこには太刀葉先輩はいなかった。
(しまったな〜……どうしよう)。
俺は途方に暮れて太刀葉先輩(?)を探すためにブラブラと街を歩くことにした。
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「あ、いた!」
俺は思わず声が出てしまい口を押さえる。
だけど幸いにも太刀葉先輩(?)には聞こえてなかったようだ。
ホッと胸を撫で下ろす。
「よし、尾行開始だ」
俺は若葉さんの身体で尾行を開始した。
(それにしても……)
前を歩くバニーガール姿の太刀葉先輩(?)の後ろ姿をまじまじと見つめると、やはりスタイル抜群なモデル体型に見惚れてしまう。
(本当に綺麗な人だな)
太刀葉先輩がどれだけ美人かわかっているが身体のラインがはっきりわかるバニーガールの衣装を実際に見ると改めてその美しさに感動する。
(っていけない!今は尾行に集中しないと!)
そんなことを考えていると、いつの間にか人気のない路地裏へと入って行くのが見えた。
(あれ?こんな所に何の用があるんだろ?)
バニーガール姿の太刀葉先輩(?)はその先の公園に入って行く。
どうやら公園のトイレに行こうとしているようだ。