87774048 No.187
少子化対策が長く続くと、社会は変化してきた。男女差が変わり、明らかに女性の多い世の中となった。
シングルマザーがまず増えた。前述の通り、彼女らは最低限ながら安定した生活を送れるようになった。
父母と子供からなる家族は様子が変わった。そもそもかつての父親の権威は父親が主として稼いでいることから生じていた。しかしこの家族の父の多くは女性脳20%未満で、結婚しなかったら生活困窮者となっていた男性だった。家庭の父親は妻である母が子供を産んだおかげで安心して生活できる、ヒモのような存在だった。こうした家族においては母が最も偉く、父の権威は失墜した。
5e86a51b No.189
「はあっ、あああっ」
「そう。それよ。女の指なんかとは違う。男の人の太いモノで犯される快感」
「あうっ、はっ、はっ」
「感じすぎて普通に息が出来なくなってきた。そう、ご主人さまの子供を産むために、こんな気持ちがいいことが出来るの。女になるって最高じゃない」
「本当に女になったばかりなのか。ついこの間まで男で、裸の女に突っ込むことを想像して一人で慰めていた奴が」
「あっ、いいっ」
「そう、それがイクって感じ」
「締まってきた。そろそろこっちも」
「あっ、うっ、くうっ」
「出すぞ」
「あああーーーっ」
cf4d232b No.195
富裕層の男性は他の一般男性とは違った。
彼らは女性脳20%以上であっても十分に豊かだったので女性になる必要はなかった。
実をいうと、女性脳20%以上の男性、多少は女性の心がわかる男のほうが女性に好感を持たれやすい、という統計がある。彼らは金を持っているだけではなく性格でも女性を引き寄せる傾向があった。
富裕層の男性は、前述の通り多くの妊娠可能年齢の女性を集めてハーレムを作った。子供を多く産ませれば産ませるほど彼らは税制上有利になるばかりではなく、富裕層の中で尊敬された。
富裕層の子供は成長すると多くが女性になり、限られた富裕男性のもとに第〇夫人として送り込まれた。富裕層同士の間で強固なハーレムネットワークを築き、さらに富裕になっていったのである。
ded46f1a No.196
「あれが第六夫人ということになるのかな。なかなか良い。妊娠するまでは可愛がってやろう」
「それはようございました。でもたまには私の所にも来てくださいまし。こんなお仕事ばかりではなくて」
「ふふ。でも第二夫人のお前も実は楽しんでいたのだろう。お前が女になる前は女性脳25%だったというじゃないか。私は38%だからお前のほうがよっぽど男らしい。男に戻って女を犯しているような気分になっていたのではないか」
「確かに私は女同士も好きですけど。そもそもご主人様に抱かれて子を産むためにここに来たのですから。そろそろ二人目が欲しいところです」
「まあ、考えておこう。それにしても女は元男のほうがよいな。生れた時から女だと、愛だの恋だの余計なことを考える。他の女に嫉妬はするし。元から女なのは第一夫人だけだがあいつには時々気が重くなるよ」
「とはいっても第一夫人は有力者の娘ですから邪険にはできませんよね。小さな子会社の次男でご主人様に拾ってもらった私と違って」
「まったくだ。お前は拾い物だ。うちの夫人の中では一番優秀なばかりか、こうした仕事も得意ときている。感謝しているよ。お前の二人目は男がいいな。俺の子の中で一番優秀な奴を俺の跡取りにする。俺がそうだったように。他の子はみんな女になってもらおう」
「女は後を継げないんですね」
「政略結婚で送り込むところはいくらでもある」
「二番目以下の男の子で女性脳20%未満の子がいたらどうしますの」
「有能なら執事にする。そうでなければ下足番だ。俺の子だからな。放り出すわけにもいかん」
「独立精神旺盛な子がいたら」
「出て行けばいい。なんならうちのライバルになってもかまわん。政略結婚も競争もますます富める者を生み出す。女は次々に子を産め。この家はますます発展するぞ」
c4b7b337 No.198
その後、第六夫人から一ヵ月遅れて第二夫人に子供が産まれた。男の子だった。
第二夫人はその子が成長してくると、このように言ったという。
「あなたは優秀だからお父様の後を継ぎなさい。その後、この家を後ろ盾に政界に進出しなさい。そして、いまの少子化対策を全てぶっ壊すの。
男に生まれたのに男として生きられない。そんな世の中は少子化で滅んでしまえばいい。
あなたが世の中を変えた後に私がまだ生きていたら、私は男に戻っておじいちゃんの体で死ぬから」
やがてその子は父の後を継いだ。そしてどうしたか。それはまた別のお話。
<終>