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CAに憑依するのは出張の楽しみのひとつだ。
シートに座り、シートベルトをしめて。
ゆっくり意識を落としていく。
自分の体から意識が離れると、幽体離脱ができる。
そして、目当てをつけていたCAに憑依した。
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以前他のCAに憑依した時に、レズっけのあるCAの噂を聞いた。
あそこで客の手荷物を入れるようとしている若葉というCAだ。
俺が憑依したのは、その子に似合いそうなCAだ。
さっそく手伝うふりをして、若葉ちゃんに密着する。
「ふ、双葉先輩…!あ、ありがとう…ございます…」
よし、脈ありだ。これで今回はCA百合を楽しめる。
いや、フライトの間にうまく関係を作ってホテルとか工夫すれば、夜に再憑依してお楽しみもできるかもしれない。
今回憑依したこの双葉というCAが、一夜の過ちと思うか、レズに目覚めるか、肉体関係からはじまる愛が芽生えるか…
若葉ちゃんの幸せは俺の手腕にかかっている。
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まずは双葉の記憶をいただくことにしよう。
深呼吸をしたあと、意識を集中する。
そうすると表面的な記憶部分だけでのぞき込む事ができる。
これで表面上は双葉として、なりすます事ができるだろう。
本心や深層意識は憑依先の体でイク必要があるので、今すぐには見ることができない。
トイレ休憩ができるのは、飛行機が離陸してから少し時間がかかるだろうから、とりあえずは双葉になりすまして、CA業務をこなしつつ若葉との接点を作って行こう。
そう考えていくと、離陸の準備が整ったとの連絡がはいった。
さぁ、楽しいフライトのはじまりだ。
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離陸前にはおなじみの緊急事態時の説明を俺がした。
と、言っても双葉の記憶をもとにしているので、双葉が普段しているように、スムーズにすることができた。
『誰もこのCAの中身が男だとは思っていないだろうなぁ』
内心はニヤニヤだったが、そんなことは表情に出さずにした。
その、なりすましも俺の興奮ポイントだ。
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それから間もなくして、飛行機は離陸した。
CA達も座席に座るのだが、ちょうど若菜と隣同士の席になった。
そしたら、若菜は「双葉先輩、今日は何だか嬉しそうですね。表情にはでてないけど、すごくうれしそうに見えます」と、話しかけてきた。
双葉はよく人を見ているなぁ、と感心した。
それと同時に調子にのらずに双葉になりきらないといけないと思った。
「わかる?今日のフライトが若葉と一緒なのが、うれしいのよ。」
誤魔化しつつ、若葉にそれとなくアプローチをかけた。
「私も双葉先輩とご一緒できてうれしいです」
若葉は笑顔でそう返してきた。
「それと、これ受け取ってください。私の個人用の番号です。今日はホテルも一緒のはずなので、よければ、、、、」
顔はうつむいたまま、メモを手渡してきた。