10a07864 No.406
「皮…?」
その家に配達した荷物の品目欄には、そう書いてあった。
受け取りに出たヲタクっぽい男はその箱を見ると、嬉しそうにニチャァと笑って待ちきれない様子でハンコを押して、箱を奪い取るような勢いで持って入っていった。
そんなことを思い出したのは、またその家に配達にきた時だった。今度は品目に「バイブ他」と書いてあり、送り主も大人のオモチャの店だった。
こういうのは他の品名でゴマカすものなんじゃないのか?いや、そもそもあの男にこれ使う相手なんていたのか?
だが大分待たされてから出てきたのは、小柄だが出るとこはしっかり出た可愛い女性が…
「は…!?」
裸エプロン!?と叫びかけてこらえた。
「すみません、待たせてしまって。ちょっとごたついてて…」
真っ最中だったってことか?いや、それならあの男のほうが出てくるだろうし…
狭いワンルームの奥に他に人の気配はなかった。
10a07864 No.407
今度は軽い袋だった。品目は「衣料」。普通だな、と思った。
そりゃそうか、あんな買い物はタマにしかしないものだ。
「あ、あの、ハンコこれ…」
また裸エプロン!?!?
いや、それよりなんだかチラチラと股間に視線を感じる。まずい、必死にこらえているが、裸エプロンで勃ってきたのかもしれない。俺は慌てて荷物を渡すとその場を離れた。
「ぁ…!」
なんだか呼び止められた気がしたが、振り向いたら犯罪者になりそうな気がした。
だがまたその家に配達だった。
今度は裸エプロンじゃない…が…小柄で巨乳に似つかわしい、かわいくもエロい服だった。
この前の荷物の服、これだったのか…?そして今度の荷物は…
「ふふ、品目、見られちまったかな?困ったなぁ、この店、本当の品物書いちまうし。媚薬と精力剤だって、知られちゃった?」
10a07864 No.408
もしかして俺、誘われてる?そもそもあのヲタク男はどうしたんだ?美人局か?
だが次の荷物は…「コンドーム」。
普通書くか?こんな具体的に。
また出てきたのは例のヲタクじゃなくて、あのエロ可愛い女だった。
だが…妙にトロンとした表情で息が荒い。
「宅配屋さぁん、ちょうどこの前の媚薬ためしてたんだ。その荷物…試すの手伝わない?ほら、精力剤」
ここまではっきり誘惑されては逆らえなかった。正直期待もしていた。
「ぁ…ああ♪やっぱバイブよりこっちのほうが…ん♪男に密着されても…なんかそれが良くなってきて…あぁ、媚薬すげぇ…ぁ、ぁ、あ、あああああ♪やっぱ女のほうが…ぁ、ぁ、ああ♪」
10a07864 No.409
可愛い顔して裸エプロンやエロい服着てバイブや媚薬買うだけのことはある、素の言葉遣いは乱暴だけど、すごい淫乱だった。
もしかしたらこれから配達のたびにヤれるんだろうか。あわよくばプライベートでも…
そして今日も彼女の部屋に配達に行く。今日の品目は…
「また…皮?皮ってなんだ?」
はじめて彼女の…いや、あの時受け取ったのはヲタク男だったな。あそこに届けた荷物も皮だった。
いくつか配達したが、これだけ何なのか分からない。
「あ、やっと届いた。宅配屋さんも今日はコレで、ね」
なんだか知らないが、彼女のことだからきっとエッチに使う道具だろう。
俺は言われるままに部屋にあがり、言われるままに出された精力剤を飲んだ。