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/tachiha/ - たちは板κ

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64b0a9ca No.26

14232104 No.29

「久しぶりだな」
村娘である私(キヨ)は謁見した姫さまに再会の言葉をかけられました。
私は姫さまと初対面であり、姫さまの名前(アキ)だけを知っているだけです。顔も声も知りませんでした。
今朝、いきなりお家に女性兵達がやってきた時から何が起きているのかわかりません。
「あのう、どこかで姫さまの気分を害していたのらば申し訳ございません」
とりあえず、私はよくわからないまま謝罪しました。謝れば許してくれるかもしれないという淡い期待です。
「頭を上げない。ああ面倒だ」
姫さまは頭を掻きながら、私に触れて呪文を唱えます。
『過去帰り』

14232104 No.30

その瞬間、俺は思い出した。そう私が生まれる前の人生。およそ60年分を。
「お、やっといい顔になったなキヨヒコ」
姫さまが驚いている俺を見てにやけた。
「どうして、俺の名を」
俺の前世を知っているらしい姫に最初の質問を漏らした。
「ああ、そりゃおまえの相棒兼心親友だからな」
俺に心親友という言葉を使うのはあいつしかいない。
「おまえ、トシアキなのか」
「Exactly 」

14232104 No.31

高校3年の夏、俺とトシアキは異世界に召喚された。
最初の頃は魔王を倒すことで冒険を始めたが、次第に王家や教会、邪神などの様々な陰謀に巻き込まれた。
そして、冒険中共に戦う仲間との出会い、連携、裏切り、死別などの様々なイベントが起きた。そんな中最初から最後まで、トシアキと俺は一緒に進み続けた。
全ての問題が解決するまでに11年程かかったが、解決した後は総てがいい思い出でとなっていった。
冒険後は、それぞれ家庭を持ち交流を続けた。そして、俺はトシアキより先に病死した。
そんな今、俺達は村娘と姫して再会した。
いや、再会して思い出したといった方が正しいのかもしれない。

14232104 No.32

「トシアキ、その力はなんだ」
軽い回想整理を頭でした俺はトシアキに向かって、謎の力について尋ねた。もちろん、私に使った呪文のことである。
「こいつは『過去帰り』だ」
「『過去帰り』?」
「ああ、過去の状態に戻す能力なんだ。この能力でオレも前世を思い出せた」
「それは、記憶を思い出せる能力なのか?」
「記憶だけじゃねえ」
姫ことトシアキは卵を地面に叩きつけた。そして、中身がぶちまけられた卵に対し、能力を使った。
「卵が元通りに!」
殻が粉々に割れていた卵は、傷一つない産みたての状態になっている。
「しかも、これだけじゃない。生き物を過去の姿にも戻せる」
「それは、俺の前世の記憶を思い出させたように、前世の姿にすることができるってことなのか!」
「さすが、心親友。理解が速いぜ」
ここまでの流れを見聞きして、疑問が生まれた。
「どうして、俺の記憶を思い出させたんだ」
そう、こんなに凄い能力があれば、一人で全てを手に入れることができるだろう。
「もちろん、心親友であるキヨヒコに自慢がしたいからに決まっているだろう。だが、それ以上に」
トシアキは真剣な目でこちらを見て
「キヨヒコの力、知恵、そして愛が欲しいからだ」



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