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「おっ、遅かったな。学校が長引いてたか?
早くこっち来い、今日は祭りだぞ」
俺を待っているのは、金髪巨乳で浴衣姿の女性だ。しかし言動は男性的である。
それもその筈、彼女は俺の親父なのだ。
この小さな村にある俺の一族は、代々長男が受け継ぐ変身能力がある。
能力の由来は謎だ。忍術だの、鬼から教わっただの、化け物の血を引いているだの、いろいろな説があるらしいが、全ては謎だ。
爺さんも親父も何に知らないし、郷土資料にもそれらしいものは何も残ってない。倉の中の資料も同様だ。
俺としては昔は爺さんが、そして今は父親が、俺の目の前でいろんな姿に変身しているのを知っているし、俺もいずれこの変身能力を継ぐということを知っていた。
「いやぁ、お前も大きくなったものだよなぁ。この姿で隣から見上げると、ホントにそう思うよ」
「親父がそんな姿に変身してりゃ、当然だろ」
「それでも俺は嬉しいよ。ここまで育ってくれて、後は嫁さん貰ってくれりゃ、言うことはないな」
「はいはい、いつかいい感じの相手を見つけて連れてくるよ。こんな田舎村でも良いって言う女性がいてくれりゃな」
「それもそうだな。俺の時は村の中で結婚したから、特別苦労はなかったが…、都会からこっちは難しいな」
女の子の姿になった親父は、夏の夕暮れ、涼しくなり始めた空気をうちわで扇ぎながら話している。かろんころんと、軽い下駄の音が鳴って、団扇によって扇がれた風に乗った、親父の甘い香りが俺の方に届く。
「まぁいい。お前が村に残っても、都会に出て行っても、俺は気にしないぞ。お前の人生だ、お前の好きに生きろ」
にっこりと笑った親父の笑顔が、記憶に深く刻み込まれた、親父の最期の顔だった。
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例え女の子の姿になったとしても、親父は親父だった。
元の姿に戻って酒を飲んでいた時に、心筋梗塞で倒れてしまった。田舎であることが災いし、診療所では適切な処置が出来ず、あっけなく親父は死んだ。
そこからはあっという間だった気がする。
周りの人に助けられながら、葬式を行い、遺産を受け継いで、遺品を片付けて、その間にも学校に行って。
気付けばすっかり49日が経っていた。
女の子になった親父の写真を見ながら、ふと思い出す。
代々長男が受け継ぐ変身能力。
親父が鬼籍に入った今なら、俺が使えるんじゃないか。
強く「小さくなれ、女性の手に変われ」と念じながら、右手に気を集中させてみると、次第に手が細く、小さくなっていった。
それが出来る事を自覚すると、俺は「戻れ」と念じ、手が元に戻る。
……できる。俺には、変身が出来る。
親父は、俺にとんでもないものを遺してくれていた。
その瞬間、俺は一つの考えがよぎる。この能力を使えば、親父のように女の子に変身できると。
もはや俺以外誰も住んでいない家だ、何をしても見咎められることはないだろう。
そう思った瞬間、俺は自室に入り、変身能力の練習の為に、ある人物に変身しようと考えた。
とはいえ、誰に変身するか。
学校の彼女の太刀葉か。
グラビアアイドルの双葉さんか。
それともゲームでやってるアバターキャラか…。
よし、決めた。
俺は誰に変身するかを決めて、能力を発動させた。
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# No.208直後から、209までの話
……おっと、あまり親父の事を思い出しても仕方ない。
改めて俺は双葉さんに変身した自分の姿を見下ろした。
「……デッカ」
足元を遮る巨乳を見下ろして、それを少し持ち上げてみる。小さくなった手に返ってくるのは、巨大なおっぱいの重さだ。
「これが、双葉さんのおっぱいか…!」
俺は感動していた。巨乳にではない。大好きなグラビアアイドルの肉体に変身している自分自身にだ。
俺は今、写真で何度も見ていた双葉さんそのものになっているのだ。写真の中でしか見れない姿を、自分で変身して再現し、自分のものにしている。
これは夢のようだが、夢じゃない。現実なのだということが、おっぱいを支えていること、そして支えられている感触で思い知る。
「あぁ、夢じゃないんだな。俺は双葉さんに変身して、そのおっぱいを支えているんだ…!」
思わず口から出た心の声。それは男の声ではなく、聞いたことのない女性の声だ。今俺は、双葉さんの肉体で、彼女の声で喋っているんだ。そう思うと更に興奮してくる。
そして思わず、自分のものになった双葉さんの胸を軽く揉んでみる。
「ふぁ…」
柔らかい。指が沈み込んでいくみたいだ。細く小さな指が胸の中に沈むたびに、胸の方は指を押し返そうとしてくる。
その二つの感覚が心地よくて、俺はついつい胸を揉むのに夢中になっていた。
(あっ…、これヤバいかも…)
そんな考えが頭をよぎったが、もう遅かった。俺の手は胸を揉み続けて止まらない、それどころかだんだん激しくなっていく。
俺には太刀葉という彼女がいるが、まだそう言った関係にはなっていない。自分の好きに触れるおっぱいが自分のものだという事実に疑問を呈する前に、俺は自分の胸からくる気持ちよさに酔いしれていた。
「あぁ…、おっぱい、双葉さんのおっぱい、俺のおっぱい…っ、気持ちいい、気持ちいいよぉ…!」
俺は胸を揉むのに夢中になっていて、指先が、硬くしこり始めた乳首に触れたことで、気持ちよさが増し、さらに止まらなくなっていく。
「んあぁっ! あぅ…、ふぁぁ…、んっ!」
もう完全に声が抑えられなくなっていた。声だけじゃない、吐息も荒く、顔も上気していて、鏡に映った俺の顔は蕩けていた。
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「はぁ…、はぁっ…! もっとぉ…!!」
胸の先から伝わってくる快感を求めて、俺は両手で両方の乳首を摘むようにして刺激を与える。それだけでも十分すぎるほど気持ちよくなれるのだが、更なる快楽を求め、今度は親指を使って乳輪の周りをなぞるように動かす。そうするとまた違った気持ち良さがあることを実感できた。
しばらくそうやって楽しんでいると、不意に股間から“とろり”と、何かが垂れてくるのを感じた。俺は高鳴る鼓動のままに姿見の前で、脚を広げていく。
そこには俺の股間があって。
そこには俺のイチモツはなくって。
そこには双葉さんのおまんこがあった。
「これが…、双葉さんのまんこ…」
初めて見る女性の性器をまじまじと見つめる俺。そこはすでに愛液が溢れていて、ヒダも濡れそぼっていた。指で触れるとくちゅっと音がして、指に粘っこい液体が付いたのが分かる。
そのまま指を滑らせると、クリトリスに触れてしまい、その瞬間今までとは比べ物にならないほどの快感に襲われた。
「ひゃうん!?♡ なに?今の……?」
一瞬何が起こったのか分からなかったが、すぐに理解した。ここが女の一番感じるところなんだと。だからもう一度触れてみるとさっきよりも強い衝撃が全身を駆け巡った。同時に頭の中で火花が散るような感覚に襲われ、意識が飛びそうになるが何とか堪えることが出来た。しかしそれでもなお、この強烈な快感に抗えずに何度も何度も繰り返してしまう。その度に頭の中が真っ白になり何も考えられなくなるくらいの快感に襲われるが止められない。
「ひぅっ♡ らめぇっ♡ こんなぁっ♡ すごいぃっ♡♡♡」
あまりの激しさに耐えきれずに倒れこんでしまうがそれでも手は止まらずにひたすら弄くり回し続ける。そのたびに口から喘ぎ声が漏れるがそんなことは気にしていられないくらいに気持ち良くなっていた。
「あーっ♡ あぁぁっ♡ だ、だめっ、なにかクるっ、おまんこからっ、キちゃう…っ♡」
絶頂が近いことを感じた俺は、ラストスパートをかけるように指の動きを早めた。それに合わせて腰を浮かばせ、まるで迎え腰のような体勢になる。
だがそんなことを気にする余裕もなく、俺はただひたすらに、女体からくる初めての快楽を求めることしか考えられなかった。
そしてついに、その時が来た。
「イくっ!! イくぅっ! んあぁぁぁっ♡♡♡」
絶叫と同時に絶頂を迎えた俺は、全身を痙攣させながら女の快感の激しさに震え上がる。
頭の中でチカチカと光るスパークのような気持ちよさ、そして手に吹き付けられる絶頂の潮吹きを感じながら、意識を失ったのだった。
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―――――
少ししてから目を覚まし、改めて自分の体を見下ろす。どうやら変身は解けていないようで、俺はまだ双葉さんの体のままだった。
まだ興奮は冷めやらぬようで、心臓が少しだけ激しく打っている。
「…汗、流してくるか」
夏も終わり、秋になってきても、やはり汗のベタつく気持ち悪さはあるものだ。俺はシャワーを浴びて、体を綺麗にする。
そして思うのは、これからこの変身能力をどうするか。
誰かに話すか、話さないか。
話すとしても、誰に話すか。
そしてどう使っていくか、だ。
やはり話しやすいのは太刀葉になるだろうけど…、仮に話したらどうなるかは、想像するとやはり怖い。
俺は元の姿に戻り、明日の為に寝る事にした。
後で俺用の下着とか女性服とかも用意しないといけないな、と思いながら。
# ここから209の続き
いやまぁ、ちょっと考えればわかったが、そりゃ村中知ってるよなぁ。爺さんも親父も、変身能力を隠していたわけじゃないし、代々長男が継ぐものだから叔父さんだって知ってたし。
というか叔父さんはいつのまに用意していたのか女物の水着を用意してくれて、俺はそれを着ているわけだが。
「はーい、生ビール3つね」
俺がビールをテーブルに置くと、村のおっちゃん達はまぁわかりやすく鼻の下を伸ばしてこっちを見てくる。
去年より忙しい海の家は、とても盛況だ。
* * *
一方その頃。
「電車で1時間、そこからバスで30分…。
うわ、次のバスを逃したらその次が2時間後? 清彦って、ほんと田舎に住んでるのね」
夏の日差しを浴びながらバスを待っている少女は、太刀葉といった。
きよひこが通っている学校でできた彼女であり、少し前に父親を亡くした清彦を心配していた。
そして夏休みのある日、彼女はサプライズでこの村にやってきた。
ちょっとした事を考えながらも、家に一人で暮らすことになった清彦に世話を焼くために。
幸いにも清彦が海の家でバイトをしていることは、バスの運転手から聞くことが出来た。太刀葉はここに突然来て、清彦を驚かせてやろうと胸を躍らせていた。
その彼氏が女性になって働いているとも知らずに。
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太刀葉は驚いている様子だ。それはそうだろう、彼氏がこんな能力を使えるようになって、女性の姿に変身したのだから。
そしてしばらく沈黙が続く中、先に口を開いたのは俺だった。
「これで信じてくれたか…?」
恐る恐る声をかけると、太刀葉はハッとした表情になった後、コクリと頷いた。
「はい…。正直、今でも信じられないですけど、信じます。なにより目の前で証明してくれましたから…」
そしてまた、沈黙が訪れる。今度は太刀葉から切り出してきた。
「あの、一つ聞いていいですか?」
「なんだ?」
「どうして今まで私に教えてくれなかったんですか?」
「そ、それは……」
口ごもってしまう。確かに太刀葉に言うべきか悩んでいたが、少し後回しにしていたのは確かだ。それに変身能力を使って、叔父さんの海の家で働いていたのも。
「だって、その、嫌じゃないか?」
「何がですか?」
「彼氏がこんな能力持ってて、女性に変身してるんだぞ? 普通なら幻滅しそうなものじゃないか…」
「あぁ、なるほど」
納得した様子の太刀葉。しかしすぐに真剣な表情に変わり、俺に言ってきた。
「でも私は清彦さんを嫌いになったりしませんし、むしろ清彦さんの秘密を教えてくれて嬉しいですよ?」
「そう、なのか?」
「ええ。私、清彦さんがお父さんを亡くして、無理をしてないか心配でした。その上変身能力まで持ったなんて、あまり他の人には言えませんよね。ちょっと遅くなったかもですけど、教えてくれて嬉しいです」
笑顔で言ってくる恋人の言葉に嘘偽りは感じられない。本当に心から言ってくれているのがわかる。
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「それじゃあ清彦さん。少しの間、お世話になります」
「へ?」
「清彦さんが家に一人なのは、学校で教えてもらいましたから、今は寂しくしてるんじゃないかと思って…。ですので、私も夏休みの間、一緒に過ごそうと思って来ました」
「…はい?」
「私の家族には言ってありますし、それに…」
「それに…?」
「清彦さんがそんな能力を持ってるなら、やっぱり身の安全は考えないとダメです!」
身の安全…。……。
そう言われて、俺は気付く。確かに俺が女の姿に変身できることは、村中に知れ渡っている。ともすれば『そういうこと』を目的にする男衆だっているかもしれない。
いや実際おっちゃん達の鼻の下が伸びてたし、胸やらお尻やらアソコやらに視線を浴びていることは実感してた。
「ですので、私が清彦さんを守ります。彼女として!」
大きい胸を張って太刀葉は宣言する。そこまで言われてしまっては、俺も何も言えない。
その後、俺は太刀葉を伴って、実家に帰ってきた。
今夜は叔父さんが作ってくれた焼きそばでいいかと思っていたところに、太刀葉が料理をして、ご飯を作ってくれた。
相変わらず太刀葉の料理は上手で、最近カップ麺とかで済ませていた俺は、久しく手料理を味わったのだ。
>次のシーン
#1:お風呂に一緒に~
#2:布団の中で~
#3:翌日、服を買いに~