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「これが、女子の身体……」
俺は鬼の清丸。かつて武士の敏乃新という男に討伐された。
生憎と鬼の身にも輪廻転生の慣わしはあるようで、転生することとなった。
通常では転生を行った魂の記憶、いわゆる前世の記憶は呼び起こされないものだ。
だが、何があったのか、転生先の肉体で俺の意識は目覚めた。
身体を見下ろし、男の時には存在していなかった膨らんだ胸を見下ろし、手を添えてみる。
触れた感触、触られた感触を同時に知る。女子の乳房とは、ここまで柔らかいものだったか…。
何があった。俺は周囲を見やり、状況を確認しようとする。
そして俺が転生したこの女子の記憶はどうなったのだ。
>なんで出てきた?
#A.頭を強打して前世の記憶が出てきた
#B.オナニーをした事で魂が混線した
#C.肉体が大人になった事で鬼の記憶が出てきた
>記憶はあるか
#1.ない。一からこの体の事を知るしかない
#2.ある。どんな半生を送ってきたか知っている
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>なんで出てきた?
#A.頭を強打して前世の記憶が出てきた
シャワーを浴びようとして脱衣場で転倒、頭部を強打した。
>記憶はあるか
#1.ない。一からこの体の事を知るしかない
自分がこの身体の太刀葉でありこの歳まで人間の女の子として生きていた事は感覚的に理解っているが名前や歳、住んでいる家とか以外は記憶喪失状態。
現代の知識はあるから鬼時代には無かった車や電車等を見ても驚いたりはしないし、スマホ等も使える。
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俺…私は鏡の前で自分の姿を確認した。
ずっと見てきた自分の顔だと自覚がありながら見慣れない女の子の顔に戸惑いを感じる。
清丸の記憶がこの身体の感覚と混ざり合い、自分が何者であるかを再定義する必要があった。
「私は太刀葉…17歳の女の子…」
私(俺)は自分に言い聞かせるように呟いた。
日常生活を取り戻す為にまずはこの身体のルーティンを再確認する必要がある。
学校はどうだったのか?
友達は誰がいるのか?
そしてこの男性は誰なのか?
それらを一つずつ思い出さなければ。
少し時間を置いてから私(俺)はドアを開けた。
そこに立っていたのは少し心配そうな表情を浮かべる男性だった。
だがその顔を見た途端、名前が頭に浮かんだ。
敏明さんだ。
3年間恋焦がれていたその人が今、目の前にいる。心臓がドキリと跳ね、先月やっと彼氏彼女の関係になった喜びが胸に広がった。
「本当に大丈夫なの?何かあったら言ってね?」
と言った彼の声に私は愛しい人に対する胸キュンが止まらなかった。
私は深呼吸をして
「うん、ありがとう。ちょっと転んだだけだから」と答えた。
「全然大丈夫じゃないじゃないか!病院に行こう!」
と敏明は慌てた様子で叫んだ。
私(俺)は一瞬、頭の痛みと彼の熱心な表情に圧倒された。
「え、でも…そんな大げさなことじゃ…」
と戸惑いながらも敏明さんの心配そうな目を見ると、胸がまたキュンと疼いた。
3年間片想いしていたあの優しさがあるからこそ、彼の提案に素直に甘えたい気持ちが湧いてきた。
「…うん、じゃあ病院に行ってみる。でも、大丈夫だと思うから、ちょっと付き合ってくれる?」
と私(俺)は小さく微笑みながら言った。
敏明はほっとしたように頷き
「もちろん!すぐに準備するから着替えてきて」
と急いで部屋を出ていった。
彼の後ろ姿を見送りながら、私(俺)はこの新しい身体と感情、そして愛しい人と共に歩む未来に少しずつ慣れていく感覚を覚えた。
清丸としての記憶と太刀葉としての恋心が交錯する中、戸惑いながらも前進する決意を固めた。