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「お帰りなさいませ、ご主人様♡ 足コキにしますか?パイズリにしますか?それとも……ナ・カ・出・し♡ですかぁ?♡♡」
扉を開けると、黒髪ショートカットの少女が出迎えてくれた。
素肌の上からメイド服風のエプロンを身に着けたその姿は、グローブやニーソックスを着用しているとはいえ裸同然だ。
エプロンの身頃はシャツのようなデザインになっているが、彼女の巨乳のせいでボタンが締まり切っていない。
おまけに、下着も着けていない胸にぴったりと張り付いているせいで、その先端の乳首が浮き上がってしまっている。
「そうだなぁ……じゃあ、まずはそのおっぱいで抜いてもらおうかな」
「承知しました♡ それでは、ご主人様の寝室へ向かいましょうね♡」
奥へ進むと、キングサイズのベッドが置かれた個室に案内される。
少女に言われるままに腰掛けると、彼女は床に膝をつき、俺の股間に顔を寄せてきた。
そして、ズボンのチャックを下ろし、パンツの中から肉棒を取り出す。
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「おぉ、相変わらずご立派ですね♡それじゃあ早速……ご奉仕いたしまぁす♡♡」
そう言うと少女は、男性器に唾液を垂らしながら、ゆっくりと手を動かし始める。
亀頭を優しく撫でたり、竿全体を上下に擦ったりと、様々な方法で刺激を与えてくる。
そのどれもが絶妙な力加減で、俺の快感を高めていった。
やがて、陰茎が完全に勃起したところで、彼女はエプロンのボタンを外して下乳のあたりに隙間を作り、そこから谷間に俺の逸物を挿入していく。
そして、両手で自分の胸を寄せ上げるようにして挟み込むと、竿を擦るように上下に動かし始めた。
「んしょ……よいしょ……どうですか?私のおっぱい、気持ちいですかぁ?」
柔らかな乳房に優しく包まれている感覚に加え、時折彼女が肉棒の先端に舌を這わせてくるため、思わず声が出てしまう。
だがそれでも彼女は奉仕をやめようとしない。それどころかどんどん激しくなっていくばかりだ。
唾液と我慢汁でぬるぬるになった肉棒をパイズリされ、やがて限界が訪れた俺は勢いよく射精してしまった。
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「きゃっ!?もう出ちゃったんですかぁ?でもまだ元気ですね♡ 次はどうされます♡」
顔に精液を浴びせかけられても動じることなく次の指示を仰ぐ少女。
・・・
だが…目に精液がかかっても一切反応しないのは流石に不自然だ。
「……はぁ。フタバ、状況中止。身体を洗ったら充電してこい」
すると、先ほどまで異性に発情し、媚びきったような表情を浮かべていた少女がすっ…と無表情になる。
「承知いたしました、清彦様。当機は機体洗浄してまいります」
無機質な声でそう告げると、少女は洗浄ブースに歩いて行った。
……既にお気づきだろうが、この少女は人間ではなく、アンドロイドだ。
しかも、ただのアンドロイドではない。
彼女ーーーTSF-800FTB、通称『フタバ』は、俺の所属するTSF社が開発中の、セックス機能に特化したセクサロイドだ。
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バックヤードで端末が立ち上げながら、俺はフタバが抱えている問題について改めて考えていた。
フタバの開発コンセプトは『極限まで人間に近いセクサロイド』だ。
そのコンセプト通り、彼女のボディは人間そっくりかつ魅力的に造られていると自負している。
あどけなさの残る顔立ちに、男の理想を詰め込んだような抜群のプロポーション。
人体構造を模倣した骨格や人工筋肉により、人間に近い動作や表現が可能だ。
新素材の人工皮膚は柔らかさと瑞々しさを兼ね備えており、人間と変わらない質感を持ちながら動作音を一切漏らさない。
当然、口や女性器、肛門の形状や機能、感触も精巧に再現されており、実際にこれらを使って性交することもできる。
体温を持ち疑似的な呼吸を行うフタバの見た目はまさに生きた人間そのもので、むっちりとした白い太ももに印刷されたバーコード、あるいは眼球型カメラの奥で明滅する赤い光がなければ、本物の女性と見分けがつかないほどだ。
このように、ハード面ではほぼ完璧なのだが……。
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「クソ、やっぱり制御AIが上手く機能してないな」
端末に表示されたデータを見ながら、俺はため息をついた。
本来フタバに搭載されるAIも、ハード同様高度なものが搭載されるはずだったのだが、残念ながらそうはならなかった。
なんてことはない、予算が足りなかったのだ。
一流のデザイン、最高級の素材や技術に、洗練されたモーションデータ……。
コスト度外視で進められたプロジェクトは、当然のことながら莫大な予算を食い潰した。
何とかハードが完成したころには、当初搭載予定だった疑似人格を開発するだけの予算はなかった。
不幸中の幸いか、俺が趣味で作っていたAIを組み込むことで、フタバは一応の完成を見たが…さすがにその完成度は高いとは言い難く、人間と遜色ないレベルには達していない。
先ほどのように違和感のある動作を、どうしても取り除ききれないのだ。
時間さえあれば解決できたかもしれないが、残念ながらお偉いさんへのデモンストレーションを明日に控えている。
今のままでは、この破綻したプロジェクトは大失敗という妥当な末路を迎えてしまう……。
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何とかしなければと焦る俺の神経を逆なでするように、遠くから入口の戸をドンドンと叩く音が聞こえてくる。
「クソ、誰だよこんな忙しい時に……」
悪態を吐きながら店舗部分へ続くドアを開く。
俺のいるフタバの開発拠点はオフィス兼研究室のバックヤードと、フタバのテスト環境である店舗部分に分けられる。
店舗とは言っても営業しているわけではないが、メイドカフェをイメージしたセクサロイド風俗のモデルルームとしてデザインされている店内を抜けて入口のロックを解除すると、見知った顔が俺を迎えた。
「よう、清彦!近くまで来たんで様子を見に来たぞ!」
「……どうした敏明。絶賛デスマーチ中の俺を嘲笑いに来たのか?」
「応援だよ、応援!ほら、エナドリ!」
敏明は俺と同期入社の営業マンで、学生時代からの友人なので、お互い就職してからもこうして軽口を叩き合える数少ない相手でもある。
立ち話も何なので、とりあえず事務所スペースに案内する。
「実演は明日だろ?上手く行きそうなのか?」
「いやぁ、それがさ……」
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愚痴交じりにフタバのコンセプトや開発状況を話すと、敏明は笑いをこらえるような表情で、俺の背中をバンバンと叩きながら言った。
「お前!それって……もう普通にオンナの子用意した方が早いだろ!」
「なんだよ、コンセプトを根本から否定じゃん」
「だって、限りなく本物に近い偽物を作るより本物連れてきた方が早いだろ」
「そりゃあまぁ、そうだけど……」
あまりに身も蓋もない結論に脱力しながら、俺は力なく答えた。
そんな俺を後目に、敏明はニヤニヤと笑みを浮かべながら続ける。
「作り物じゃなきゃダメっていうなら、いっそ着ぐるみでも用意したらいいんじゃないか。中に人が入ってさ」
「さすがにバカにしてるだろう。第一、着ぐるみなんて用意する金……」
そのとき、何かが引っかかる。
中に人が入る……不意に、現状を打破しうるアイデアを思いつく。
フタバを人間らしく動かさなくても、人間がフタバとして振舞えば、あるいは……。
「ありがとう敏明!ちょっと思いついたことがあるから、また今度な!」
「おう!頑張れよ!落ち着いたらフタバちゃんとも会わせてくれよ!」
そう言って敏明がオフィスを去っていくのを見送ったあと、倉庫に仕舞ったある装置を取りに行くことにした。
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フタバの開発に携わる前、俺はとある研究に携わっていた。
残念ながら倫理的な問題からその研究は中止させられたが、実験は成功しており、そのときの装置も処分せずに持っていた。
今こそ、その研究ーーー人格の電子化、そして転送に関する研究の成果をの見せるときだろう。
ヘルメット状の装置を被り、充電カプセルの中のフタバに接続した俺は、簡易ベッドに横たわってスイッチを起動する。
すると、だんだん意識が薄れていき……。
《人格データ、転送完了。システムチェック開始……異常なし》
……頭の中にシステム音声が流れ、目を開く。
視界には様々なデータが表示されており、そのどれもがこの機体が正常に動作していることを示している。
俺はカプセルから起き上がると、姿見の前まで歩いて行く。
身体のバランスが変わったことで一瞬だけバランスを崩しそうになるが、すぐにAIが補正し、問題なく歩けるようになった。
鏡に映った自分の姿は、まぎれもなくフタバのものだった。
「すごい…俺本当にフタバになって……」
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思わず声を漏らしながら顔をぺたぺたと触る。
動きも表情も感覚も、生身とそん色ない……。
AIが補助しているのだと頭ではわかっていても、まるで本当に女の子になってしまったようだ。
ということは、ここも…?
恐る恐る胸に手を当てると、柔らかな膨らみが手に触れた。
それを揉むようにして軽く刺激を与えると、行為中の女性の脳波などをもとに再現された甘い快感が全身に走る。
自分でやっておいてなんだが、すごいな……。
そのまま乳首やクリトリスといった敏感な部分を弄っていると、徐々に身体が熱を持っていく感じがする。
疑似愛液がつーっ…と太ももを垂れていくのを感じ、俺は一旦手を止めた。
「はぁ……はぁ……すごいなこれ」
フタバはセックス機能に特化している分、その快楽も人間と同等かそれ以上だ。
感覚に慣れる名目でもう少し自慰を続けようかと思ったところで、ふと、ある考えが頭をよぎった。
……こんなに敏感なカラダにちんぽを挿入したらどうなるのだろうか?
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簡易ベッドに横たわる自分を一瞥するが、意識のない男を相手にしても面白くなさそうだと思っていると、ポケットから着信音が流れてくる。
「あー、あー…んん、こんなものかな。……もしもし」
フタバの声だと変かと思い、残っていたメモリーから自分の声を再現してから応答する。
電話の相手は敏明で、ひどく焦った様子だった。
「もしもし!俺、敏明だけどさ。そっちに財布忘れてないか?」
「どうだろう、今別の部屋にいるからな……探しておくから一度戻って来いよ」
「忙しいところありがと!すぐ行くわ」
通話を終えた俺は、ほくそ笑みながら準備を始める。
さっきはアイデアで俺を救い、今度はタイミングよく戻ってくれるなんて、敏明にはちゃんとお礼をしてやらないといけないな。