5223b08e No.134
「ここが何か知ってる?」
「お、おま……」
「そう。あなたのここは、もうすっかり、女になっているの」
「ぼくの、ここが、女に」
「そう。ここは、男の人を引き寄せるもの」
「あ、ふ」
「どう? どんな感じ?」
「あ、あ、変な、気分です」
「これが女の気持ち良さ」
「なんだか、恐いです」
「受け入れなさい。素直に」
6e0c0b73 No.141
20XX年、性別適合手術は進化し、性別変更後も妊娠可能となった。
肉体への負担も軽減され、見た目も元の性別がわからないようになっていった。
法的にも十代後半には好きな性別を選べるようになった。高校卒業の時点で望む性別を決定し、その後の生活を送ることが一般的となった。
その後、流れが変わった。少子化が進み、子供が産める女性として生きることが奨励されるようになったのだ。
「うちは貧乏だから俺も女になるかな」
「あなたは男の子でいいね。だって女になれば補助金がもらえるし。女に生まれたらそんなものないんだから」
そんな会話がが冗談でなく交わされるようになった。
ee83b3e8 No.143
「それでここは?」
「クリト……」
「そう。こうすると、どう?」
「あ、あっ」
「感じるの?」
「や、やめ、」
「気持ちいいのが恐いの? わかるけど、恐がらなくていいの」
「あ、あふっ」
「もっとね、激しくしても女の子は大丈夫なんだから。ほら」
「あ、ああっ」
「まず一度、イってしまいなさい」
「あああっ」
ee66051e No.146
女性化が奨励されたからといって、どんな男性も女性になれたわけではない。
成人、十八歳になると性別適合試験を受けることになった。それは心理試験と、CTスキャン、ホルモン検査などからなる医学的試験から成っていた。
人間の脳は男性と女性で異なる。しかし話は単純ではない。脳の各部位が全て男性的、あるいは女性的な人間はむしろ少数である。多くは男性的な脳と女性的な脳のモザイクとなっている。
それを心理的医学的に調べ、男性脳何%、女性脳何%と数値化するのだ。
試験の結果、女性脳50%以上とされた男性は無料、さらに補助金を得て女性となることが推奨された。建前上は本人の意思によるとされた。だが、結果はオープンにされ、税制上、職業上、やがては社会通念上、ほとんど強制的に女性になれと宣告されたようなものであった。
一方、男性脳50%以上とされた女性は高額の手術費用を払えば男性になってもよいとされただけであった。
a83030ee No.149
「それじゃ、次は中に指を入れてみるね。ここに穴がある気分って、どう?」
「なんだか変。あっ」
「一度イったから敏感になってるだけ。そのほうがいいから。ここかな」
「あっ、あふっ」
「やっぱりここか。ここをなでなでしてやると」
「あうあっ」
「気持ちいいんだけど」
「なんだか、あの、あっ、せつない感じがして」
「ふふ。イキそうでイカない感じがたまらないでしょ」
「あううう」
「そこで一気に突いてみるっと」
「あああ、うぁあ」
d389c357 No.155
少子化がさらに進むと、焦る政府は妊娠可能年齢の女性をさらに増やそうとした。そこで、女性脳20%以上の男性も補助金を得て女性化可能とした。
子を持つ母親への金銭的な援助も手厚くなった。例えば困窮するシングルマザーの場合、公営住宅の一室を管理費のみで提供した。家賃無料実費のみということである。そしてハローワークとも連携して優先的に職を斡旋した。つまり、子供さえいれば、女が食いっぱぐれることは無くなったのである。一般家庭でも未成年の子供が三人以上いれば、よほどの資産家でない限りほぼ無税となった。
その代わり独身者男性への増税は甚だしかった。食費住宅費税金を払えば何も残らなかった。ある底辺男性は男性脳18%という検査結果に絶望し、「人生詰んだ」と遺書を残して自殺した。底辺男性が生き残るには、女になってとにかく子供を産むしかない、そんな考えが一般的になったのである。
子のない夫婦の相続税も90%以上と苛烈であった。子供の出来ない夫婦は争って孤児を養子にした。子供のいない家庭など家庭の名に値しないとされたのである。
c00e5e06 No.168
「さっきとは違うでしょう」
「あっ、あっ、あっ、あひっ」
「もっと激しくしてあげる」
「やっ、やっ、やめっ」
「男の人のなんか、こんな指よりも太くて奥まで入ってくるんだから、これぐらいで驚いてちゃ、だーめ」
「あうっ、あ」
「ほらほら、どんどん高まっていくでしょう」
「あっ、あっ」
「イキそうになった?」
「いっ、いっ、イ……」
「それでここで止める、っと」
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経済的に女性を選ぶ者が増えることにより、一夫一婦制は形骸化した。
中には、生活のために精子バンクを利用して妊娠するような独身女性もいた。だが、多くの場合一夫多妻、富裕な男性に複数の女性が添うという形が一般的になった。形式上の妻は一人でも、出産し認知されれば正妻同様の権利が与えられたので正妻も愛人も実質的に変わりなかった。
そうした富裕層の男性も子供が多ければ多いほど政府から金銭的税制的なメリットを多く受けた。多くの女性がさらに多くの子を成すハレム。それが、富裕男性のステイタスとなった。
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「ふふふ。イキそうなところで止めるとつらいでしょう」
「あっ、ああ、どうして」
「ここから先はわたしじゃないの。ご主人さまにしていただくの」
「ああ」
屹立した男根を露わにした男性が現れた。
「あのかたが、ご主人様」
「そう。さあ、あなたの服を全部脱がせてあげる。全身、女になった姿をまず見てもらいなさい」
「はい」
さっきまで陰部を責められていた女は、全裸になって男の前に立った。嘗め回すような視線で男が女の体を見つめた。
「女になったばかりの女、か。顔は垢ぬけないが、いい体だ」
「良かったね、褒めていただいて。さあ、次は、あなたの女になった部分を見ていただくの」
女は横になると、股の女の部分を指で開いて男に見せた。
「御覧ください。ご主人様」
459976f9 No.180
男性でも女性脳20%以上は手術を受けて女性となることが多い世の中となったのは前述の通り。さてしかし、女性脳の割合がその程度まで下がっても女性となって支障がないのだろうか。
それについてはデータが得られていた。男性脳の割合が多少高くても、女性の肉体的な快楽を経験すると、男性に戻らなくても良いと思うようになるというのである。
女性の体から脳へと送られる快感はそれほど強烈なもので、一度それを知ってしまうと男性脳の割合がよほど高くない限り女性であり続けようとするのである。
ただし、その初回には注意を要する。ついこの間まで男性だった女性が男性に犯されるということは、ゲイにレイプされるような負の感情をもたらすという。
そこで、まず初回は先輩の女性に女同士で性的興奮を高めてもらい、しかる後に男性から性的快感を与えられるという手順が望ましい、とされた。
先ほどの女性脳20%以上という数値は根拠のないものではない。仮に女性の快楽を与えられたとしても、女性脳20%未満だと男性の肉体に戻りたくなるというデータが得られていた。
なお、このデータを得るまでには、戦地での捕虜を対象にインモラルな生体実験が多々行われたと言われている。
bc5d3e20 No.185
「さあ、ご主人様の前で誓いなさい」
「はい。わたくしは、ご主人様の子供を産むために女に生まれ変わりました。わたくしを抱いてください。この中に子種を注いでください。わたくしを妊娠させてください」
「よし、お前を孕ませてやろう」
男のモノが深々と女の中に埋め込まれていった。
「あ、つっ」
「痛いでしょう。初めては元男でも痛いの。その痛さを、初めてを、あなたはご主人様に捧げたの」
「動くぞ」
「ああ、うっ」
「これであなたはご主人様のものよ」
「うれしいです。あっ、うっ」
「痛いだけではないようだな」
「くっ、ううっ、ああっ」
「女になったばかりだというのに、もうそんなに感じているか」
「あああっ」
87774048 No.187
少子化対策が長く続くと、社会は変化してきた。男女差が変わり、明らかに女性の多い世の中となった。
シングルマザーがまず増えた。前述の通り、彼女らは最低限ながら安定した生活を送れるようになった。
父母と子供からなる家族は様子が変わった。そもそもかつての父親の権威は父親が主として稼いでいることから生じていた。しかしこの家族の父の多くは女性脳20%未満で、結婚しなかったら生活困窮者となっていた男性だった。家庭の父親は妻である母が子供を産んだおかげで安心して生活できる、ヒモのような存在だった。こうした家族においては母が最も偉く、父の権威は失墜した。
5e86a51b No.189
「はあっ、あああっ」
「そう。それよ。女の指なんかとは違う。男の人の太いモノで犯される快感」
「あうっ、はっ、はっ」
「感じすぎて普通に息が出来なくなってきた。そう、ご主人さまの子供を産むために、こんな気持ちがいいことが出来るの。女になるって最高じゃない」
「本当に女になったばかりなのか。ついこの間まで男で、裸の女に突っ込むことを想像して一人で慰めていた奴が」
「あっ、いいっ」
「そう、それがイクって感じ」
「締まってきた。そろそろこっちも」
「あっ、うっ、くうっ」
「出すぞ」
「あああーーーっ」
cf4d232b No.195
富裕層の男性は他の一般男性とは違った。
彼らは女性脳20%以上であっても十分に豊かだったので女性になる必要はなかった。
実をいうと、女性脳20%以上の男性、多少は女性の心がわかる男のほうが女性に好感を持たれやすい、という統計がある。彼らは金を持っているだけではなく性格でも女性を引き寄せる傾向があった。
富裕層の男性は、前述の通り多くの妊娠可能年齢の女性を集めてハーレムを作った。子供を多く産ませれば産ませるほど彼らは税制上有利になるばかりではなく、富裕層の中で尊敬された。
富裕層の子供は成長すると多くが女性になり、限られた富裕男性のもとに第〇夫人として送り込まれた。富裕層同士の間で強固なハーレムネットワークを築き、さらに富裕になっていったのである。
ded46f1a No.196
「あれが第六夫人ということになるのかな。なかなか良い。妊娠するまでは可愛がってやろう」
「それはようございました。でもたまには私の所にも来てくださいまし。こんなお仕事ばかりではなくて」
「ふふ。でも第二夫人のお前も実は楽しんでいたのだろう。お前が女になる前は女性脳25%だったというじゃないか。私は38%だからお前のほうがよっぽど男らしい。男に戻って女を犯しているような気分になっていたのではないか」
「確かに私は女同士も好きですけど。そもそもご主人様に抱かれて子を産むためにここに来たのですから。そろそろ二人目が欲しいところです」
「まあ、考えておこう。それにしても女は元男のほうがよいな。生れた時から女だと、愛だの恋だの余計なことを考える。他の女に嫉妬はするし。元から女なのは第一夫人だけだがあいつには時々気が重くなるよ」
「とはいっても第一夫人は有力者の娘ですから邪険にはできませんよね。小さな子会社の次男でご主人様に拾ってもらった私と違って」
「まったくだ。お前は拾い物だ。うちの夫人の中では一番優秀なばかりか、こうした仕事も得意ときている。感謝しているよ。お前の二人目は男がいいな。俺の子の中で一番優秀な奴を俺の跡取りにする。俺がそうだったように。他の子はみんな女になってもらおう」
「女は後を継げないんですね」
「政略結婚で送り込むところはいくらでもある」
「二番目以下の男の子で女性脳20%未満の子がいたらどうしますの」
「有能なら執事にする。そうでなければ下足番だ。俺の子だからな。放り出すわけにもいかん」
「独立精神旺盛な子がいたら」
「出て行けばいい。なんならうちのライバルになってもかまわん。政略結婚も競争もますます富める者を生み出す。女は次々に子を産め。この家はますます発展するぞ」
c4b7b337 No.198
その後、第六夫人から一ヵ月遅れて第二夫人に子供が産まれた。男の子だった。
第二夫人はその子が成長してくると、このように言ったという。
「あなたは優秀だからお父様の後を継ぎなさい。その後、この家を後ろ盾に政界に進出しなさい。そして、いまの少子化対策を全てぶっ壊すの。
男に生まれたのに男として生きられない。そんな世の中は少子化で滅んでしまえばいい。
あなたが世の中を変えた後に私がまだ生きていたら、私は男に戻っておじいちゃんの体で死ぬから」
やがてその子は父の後を継いだ。そしてどうしたか。それはまた別のお話。
<終>