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アラサーの女の子がただセックスをしてみたいと夢を見る、そんなマンガを読んだ。
中二病を拗らせた挙句二十歳前後の小娘にTS転移したアラカンのわたしにすれば、アラサーなんて十分「女の子」なんだが、今のところそれはまあいい。
ただ、思うのは「実はそれが普通なのではないか?」という事。酒に酔ってお持ち帰りされ処女を喪失し、身体の相性がいいという理由で誰とでもやり捲るわたしが正常だとは思えないのだ。
「清美―、どうしたんだ?ぼっとして?」
身体の相性がいいというだけでわたしとやり捲ってる男たちの一人敏明が、わたしにキスをする。軽い奴では無くて舌をしっかり入れてくる結構濃厚な奴。わたしがチョロい、タダの男好き、と言われればそれまでだが、わたしのアソコはそのキスだけでもうべちょべちょだ。
「ん~、昔読んだマンガ描いてた漫画家さんが新しく書いたエロ漫画見たら、意外と大事な事描いてるのかな~って思ってさあ。」
「ふ~ん。」
その後、わたしたちは滅茶苦茶セックスをした。
別のある日坂内でチャーシューラーメンの炙りチャーシュー丼のセットを喰ってたら敏明と逢ったので、国道の反対側のラブホテルにセックスをしにいくことに。
敏明の車はAE86型のスプリンタートレノだ。もう50年以上前のクルマだが、訳もなく気に入ってるそうだ。
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AE86型トレノといえばわたしが学生時代に夢中になっていたアニメに出てきたクルマだ。
そういうクルマを訳もなく気に入っているという敏明を、わたしもなんとなくではあるけど気に入ってもいる。
「清美が気に入ってるっていうマンガだけどさあ」
ハチロクに乗り込むとき、敏明がボソリと言った。
わたしが気に入ってるマンガ?わたしが敏明に話したマンガって言うと・・・。
ああ、「幕を破りたい」のことか。
「9巻も続いてるのに未だに処女なんて、男共、ショボ過ぎね?男だったらタダで喰えるんなら、惚れた女が泣こうが喚こうがさっさと喰っちまえよって感じだった。」
「わたしの初めてを奪ったときもそんな感じだった?」
破瓜のとんでもない痛みで目を醒ましたとき、見たことない天井の下で敏明が腰を振っていたっけ。
「いや、あんときはもうちょっと必死だった。飯食わせて、酒飲ませて・・・」
ああ、そうえば、ジュースとか言って、スクリュードライバーとかブラッディ・マリーとか飲まされてたな。
「・・・媚薬飲ませたり、結構金懸かってたから元を取ろうとな。」
わたしは、うんうんと話を聞いていたけれど。
「媚薬?それって犯罪じゃ?」
「別にいいじゃん。清美だってその後随分いい思いしたろ?」
そりゃまあそうだけど。