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/tachiha/ - たちは板κ

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d3ecb995 No.168

8b60ec32 No.286

「俺の魂を引き留めてくれたのは礼を言うが、なぜこのような体に降霊した」
知り合いの退魔師、清彦は悪霊の返り討ちにあって肉体を奪われた。
そのまま霧散するはずだった清彦の魂を、このラブドールに縛ることで救ったのは俺だ。

「仕方ないだろう。人の形をした物でないと魂の形が人でなくなっていく。それに多少なりとも動けないと精神がもたない。条件を満たす物が手近にそれしかなかったんだ」
「お前がこんな凝ったラブドールを持ってるなんてなw」

今鼻で笑いやがったな。ラブドールのヘッドで器用な奴だ。
だが退魔師としてはプロなのだろうが、降霊師としての知識は浅いな。
器がラブドールだと認識すると、魂の形がそっちへ引っ張られるぞ。

#1. 清彦の魂を守るため、ラブドールではないと言い張る。
#2. 魂の形が引っ張られると教え、ラブドールと意識しないように忠告する。
#3. バカにされたし、清彦の魂がラブドールに染まっていくにまかせる。

0b7bbfd6 No.376

「今回のようなときのために用意しておいたんだよ」
悪霊と戦う以上、命を落とすリスクは一般人とは比べ物にならない。
最悪の場合を想定して仮に魂を入れる器をこうして準備していたというのに。

「ん、少し動けるようになってきたか?」
ラブドール…清彦の手が細かく痙攣して、ゆっくりとグーの形に握られ、再びゆっくりと開かれる。
「さすが清彦だな。手だけとはいえもう動かせるとは」
普通の人間だったら動くのに数日は掛かるだろうというのに、彼の魂はやはり強いようだ。

とはいえ、物体に魂を縛るこの降霊術はどちらかというと呪いに近い。
「ひとつ警告だ。その器をラブドールだと認識すればお前の魂もその形に引っ張られる。
あくまで仮の体だと意識するようにしてくれ」

8b60ec32 No.378

「ひっぱられる、ってどういうことだ?依り代がラブドールなだけで、俺は俺だぜ?」
忠告してやったのに、馬鹿な奴だ。いや、同業者として当然の好奇心ではある。

「例えば…そうだな、お前はそのラブドールのおっぱいをどう思う?」
「いやらしいおっぱいだな。元に戻ったらこれでパイズリしてみたいぜ」
「…そう意識すると、だんだん、そのおっぱいでパイズリさせられても違和感がなくなる。そして自分からパイズリしたくなる。まぁ、おおざっぱにそんな感じだ」
「お、おい、俺がそんなことしたくなるわけないじゃないか!」

だがそれから清彦は、今の自分についたおっぱいをチラチラと見下ろしたり、触ってみたりしていた。
聞かされたせいでどうしても意識してしまうのだろう。自分がパイズリしたくなってないか確認してしまうのだろう。

まぁパイズリはどうでもいい。だがこのままにしておくと、どうしても巨乳を意識して、しだいに清彦が考える巨乳女らしい魂へと変貌していくだろう。

da838a1f No.436

その対策として、俺はひとまずこいつに服を着せてやることにした。
スタイルの良い全裸の女体が常に視界にあれば意識しないのは不可能だが、見えないように布で覆ってしまえば多少はマシになるだろう。

「…で、どうしてわざわざメイド服を選んだんだ?」
「仕方ないだろ、そのラブド…その器にサイズが合う衣装の中で一番まともなのがそれなんだよ。競泳水着やバニースーツなんかを着せられるよりマシだったと思って我慢してくれ」
目の前には、フリルのついた可愛らしいメイド服を身にまとった清彦が立っている。
元々はパイズリ用に胸元がぱっくりと開いたデザインなのだが、そこは応急処置として安全ピンで留めて塞いでやった。
丈はかなり短く、そのせいでストッキングに包まれたむちむちとした脚が露出しているが、清彦の視点からだと胸が邪魔して見えないだろうから問題はなさそうだ。

「へえ、そんな衣装まで持ってるんだな?まさかご主人様にそんな変態趣味があったとは、それを知れただけでも悪霊にやられたかいがあるってもんだぜ」
「うるさいな、せっかく助けてやってるってのにくだらないことばっか言いやがって。少しは申し訳なさそうに…ん?」
着替えるまでの短い時間に、更に魂が馴染んだのだろう。清彦はもはやラブドールとは思えないほどに生き生きとしたニヤケ顔で軽口を叩いてきたが、彼が口にした言葉に違和感を覚えた。

「お、おい。お前今俺のことを何て言った?」
「そんな怖い顔すんなよ、ちょっとした冗談だろうが。ほんと、ご主人様は昔から変なとこ真面目だよな」

dd954fb4 No.437

俺を『ご主人様』呼びしている。
からかって、と言う感じでは無く、自然に『ご主人様』呼びをしている。
このメイドの衣装で『女』をかなり意識しているようだ。
そのため、ライブドールに意識を引っ張られているように見える。
それ以外の仕草も、よく観察してみると。さっきまでは股を広げて座っていたが、いまは足をぴったりくっつけて座っている。
「お前、だいぶその体に意識がひっぱれているから、本当に気をつけろよ。俺のことを『ご主人様』と言っているじゃないか。後悔するぞ!!」
強めの口調でつたるが、清彦はあまり気にしていない。
「あぁ、はい、はい。ご主人様・・・あっ!本当だ。」
自然に清彦は自分の口からでた、『ご主人様』という単語に驚いていた。

71afa0d4 No.445

もしかすると、事態は思っていた以上に切迫しているのかもしれない。
降霊師という仕事を長年続けてきた手前、これまでも人間の魂を一時的に物体へと縛り付けた経験は何度かある。
だが、普通は数日経過して少しずつ魂の形が器に引っ張られるのに対して、清彦は数時間という異常な速度で魂が変質していっているのだ。
恐らく、優秀な退魔師である清彦の魂が強力なことが関係しているんだろうが…。

「悪い、少し出かけてくる。今日中には帰るからそれまでは本でも読んで、なるべくその器に意識を向けないように過ごしてくれ」
「別にいいけどどこに行くんだ?ごしゅ…敏明」
「その器よりもまともな人形を調達しに行くんだよ。それまではこれでも羽織っとけ、少しは進行を抑えられるかもしれないからな」
クローゼットからジャケットの上着を取り出し、らしくないキョトン顔をしている清彦に放り投げる。
今のあいつの身体にはブカブカだろうが、それでもメイド姿のままで放置しておくよりはずっと良いだろう。

71afa0d4 No.446

「予想外に高い買い物をしちまったな…。ま、全部終わった後で清彦に請求すればいいか」
夕焼けが落ちきった日暮れの中、俺はいつもよりアクセルを強く踏み込んで高速道路を走っていた。
後ろの座席には、清彦の自宅から遠距離にあった店舗でついさっき購入した男性型のマネキンが横たわっている。
本来の予定では通販で注文するつもりだったのだが、予想していた以上に清彦の魂が器に引っ張られてしまっているのを見て急遽買い急いだのだ。
この器に魂を入れ直してやれば、少なくともさっきのように魂の形が巨乳女の姿に引っ張られることは防げるだろう。

「これでなんとか持ち直してくれればいいが…ん?」
マネキンを抱えて玄関の前にたどり着いてすぐ、その異常に気づいた。
清彦しかいないはずのマンションの一室、その中から邪悪な悪霊の気配を感じるのだ。

「まさか…!」
急いで鍵を開き、その気配が強く立ち込めるリビングへと駆け込んでいく。
すると、なんとそこには悪霊に奪われたはずの清彦本来の肉体が。そしてそいつの股間を両胸で挟んで上下させながら心底嬉しそうな顔をしている、清彦の魂が入っているはずのメイド姿のラブドールがいた。

8b60ec32 No.451

ここで一旦、時は敏明がマネキンを買いに出かけた直後の清彦に視点をうつしてみよう。

俺こと清彦は焦っていた。うっかりご主人様のことをご主人様とよんでいた…
「ではありません!…じゃねぇえ!」
まずい、意識するなって言われても、いや、だからなおさら意識しちまう。
このままじゃご主人…敏明が帰ってきた頃にはメイドらしくお出迎えして、わたしのためにご苦労なさったご主人様をこの自慢のおっぱい…

ちがうちがう、そうしたいんじゃなくて、そんなふうにならないように…!
うぅ…
「早く帰っていらしてください、ご主人さまぁ…、でないとわたし、俺…」

その時、玄関の呼び鈴がなった。俺は急いでドアをあけた。
「おかえりなさいませ、ご主人さまぁ♪…え…!?」
そこに立っていたのは、悪霊に乗っ取られた俺の肉体だった。
「ん?おぉ、この肉体の魂か。なりすまして敏明とやらも騙して仲間に乗っ取らせるつもりだったが…お前、魂がひっぱられてるな。おもしろい…今から俺が"ご主人様"になってやろう」

7bd657d7 No.465

「黙れ!悪霊風情がふざけたこと抜かしやがって…!俺のご主人様は敏明様だけだ!」
咄嗟に距離を取り、もしもの時のために懐へ忍ばせておいた護符を構える。
俺の肉体を奪った悪霊がいきなりやって来たのには面食らったが、むしろ好都合かもしれない。
ここでこいつを祓ってしまえば、俺は無事元の肉体を取り戻すことができる。
そうなればご主人様がこれ以上私のために苦労することは無くなるし、もしかしたら褒めて下さるかもしれない。それどころかご褒美に抱いてくれるなんてことも…♥

「ククッ…」
「何が可笑しい?」
「なに、あの恐ろしい退魔師が随分と無様な姿になってしまったと思ってな。もはや自分の異常にも気づけていないのだろう?」
「…動揺させるための話術か何かなんだろうが、俺には通じないぞ。先刻は動揺した隙を突かれたが、もう油断も驕りも無い。今はただご主人様のためにお前を祓うだけだ」
俺がこいつに肉体を奪われてしまったそもそもの理由は、民間人のカラダを人質に取られてその隙を突かれたからだった。
だが、今この場には俺とこの悪霊しかいない。こいつと俺との本来の実力差を考えれば、邪魔が無いこの状況であれば間違いなく祓えるだろう。
『ご褒美』への期待で高鳴る胸を落ち着けて、余裕な笑みを浮かべている俺の肉体に向けて護符を放った…が

「どうした?俺が、退魔師の清彦が結界を使ったことがそんなに不思議か?」
「あ、あり得ない、どうして…!?」
信じられないことに、俺の護符は俺の技によって防がれてしまった。
悪霊を祓うために身に着けた技術、攻撃から身を守る手段である結界術。
長年の修行によってようやく習得したそれを、俺の身体を奪った悪霊は易々と使いこなしてみせたのだ。

7bd657d7 No.467

「簡単なことだ。この肉体の脳に蓄積されている記憶を読み取り、お前が培ってきた退魔師としての力も俺の物にしただけさ。『俺』なら少し考えれば予想はついただろうに…『ご主人様』への執心が余程目を曇らせているのだな」
「あっ…ま、待て!返せ!」
悪霊がくいっと指を動かすのと同時に、懐に忍び込ませておいた護符や式神用の依代が、悪霊を祓うための道具の数々が浮き上がっていった。
やがて結界が解かれ、そこに張り付いていた護符も含めた道具が全て奴の懐へと収まっていく。まるで、本来の主の元へ戻りたがっていたかのように。

「嫌、ダメだ…。返せ、返してください…!うぅっ、ぐすっ」
気付けば俺は、縋りついて涙を流しながらそう懇願していた。
今の仮の肉体では、道具無しでは退魔師としての力が発揮できない。この悪霊を祓うことができない。
ご主人様の留守を預かっている身だというのに、なんという体たらくだ。これじゃあメイド失格じゃないか。

「お願いします、あなたを祓わせてください!このままだとご主人様に顔向けできないんです…」
「ははは、ここまで無様だとむしろ哀れに思えてくるな。そんなにご主人様とやらが大事か?」
「当然です!ご主人様は私にとっての全てで、なのに私はこんな失態を…!」
「素晴らしい、すっかり魂までもが理想的な下婢に成り果てているようだな。では、そのまま俺に隷属してもらうとしようか」

7bd657d7 No.468

私の肉体を奪った悪霊はそう言うと、うずくまる私の頭を掴んできた。

「な、何を…ぃぎっ!?あ、あ゛ぁぁっ…!?」
触れられたその箇所から何かが流れ込み、中を無理やりに掻き回されているかのような不快感に思わず呻き声が漏れる。
何とかその手を離させようと必死になるが、私の細い腕では男の力強い腕を引き剥がすことは敵わなかった。

「ぐう、うぅぅっ!は、離してください!うぐっ、私には、ご主人様が…!」
「何を言っているんだ。俺がお前のご主人様だろう、忘れたのか?」
「この期に及んでまだそんな戯言を…!あなたがご主人様なわけが…あ、あれっ?」
私だけでなくご主人様のことまで軽んじるような発言に腸が煮えくり返り、私の肉体を奪った悪霊を睨みつけた。
…そう、目の前にいるのは元は私だった人間のカラダで、そのことを私も理解しているはず。
なのに、私の目に映ったのは他でもないご主人様、『清彦様』の顔だったのだ。

「え、あれ?どうして、私が清彦様のはずなのに…?ち、違う、ご主人様は敏明様で…そうじゃねえだろ!そもそもわたしは、俺はメイドなんかじゃ…!」
「ほう、改変した記憶への違和感で本来の人格が戻りつつあるのか?流石は優秀な退魔師の魂だと褒めてやりたいが…俺の奴隷として生きていくには不要なモノだからな。まとめて塗り変えてやろう」
「ぐああぁぁああっ!!?」

更に強烈な力が俺の中へと入り込み、浮かび上がっていたはずの疑念が掻き消されては別の何かに変わっていく。
かつてない苦痛を耐え忍ぶことしかできなかったのだが…そんな中、私の頭にはご主人様と過ごした日々の記憶がまるで走馬灯のように浮かんでいた。

532db930 No.481

買い物から帰宅した俊明の視点に戻る。

「何しているんだ!」
俺は邪悪な気配を出している存在に対して、問い詰めようと一歩踏み出した。
しかし、俺の身体は全身麻酔を打ったかのごとく動かなくなり、倒れてしまった。
「間抜けな退魔師だな」
悪霊は動けなくなった俺に近づくと
「お前はここぞという時にいつも詰めが甘いよな。俊明」
俺の知っている清彦ように微笑した。

532db930 No.482

俺は事態の深刻さを理解してしまった。
この悪霊は清彦の記憶をすでに読み取れる段階にいる。いや、清彦の退魔師の術等が全て使えるほど肉体と魂が一致してきている。現に俺の体を動かせなくするのも俺の知らない術の一つだろう。
俺はラブドールに入った清彦を見る。
行為を途中でやめてしまったためなのか、清彦は露出した自身の身体のちんこを物欲しそうに観ていた。
この顔で、清彦の魂はほぼラブドールの魂に染められていることを察した。

532db930 No.483

「ふむ、体の動きを止めてしまったが、ノーリアクションのはとてもつまらんな」
悪霊は指で解除の術式を唱えると、俺は喋れるようになった。
「おい、大丈夫か清彦!呼びかけに答えられるなら目を覚ませ!」
「俺は大丈夫だぜ俊明」
悪霊がニヤニヤと俺の質問に返事した。一方でラブドールの肉体の清彦はただただ、俺のことを他人のように見ていた。
「もしかして、奴隷のことを指しているのか?呼ばれているぞ」
「はい」
今にも笑い転けそうになっている悪霊は清彦の尻を触った。清彦は少しとろけた表情で俺の目の前にやってきた。
「初めまして、わたしは清彦様の愛玩奴隷である双葉です。以後名前の間違いはないようにしてくださいね」

9b04979f No.530

「違う、お前は退魔師の清彦だ!そいつに肉体を奪われてるだけなんだよ!頼むから思い出して、正気に戻ってくれ、なあ!」
「…ご主人様、この無礼な男を罰するご許可を頂けないでしょうか。わたしのことはともかく、ご主人様を"そいつ"呼ばわりするだなんて…腹に据えかねます」

清彦が俺の必死の呼びかけに応えることはなく、むしろ蕩けきった表情から一転して敵意剥き出しの視線を向けてきた。
古い付き合いである俺に「初めまして」と言ってのけたこと、そして自身の本来の肉体を「清彦様」と呼んで隷従している様を見るに、何らかの術によって記憶を改竄されてしまったのだろう。
それは降霊術に特化した俺が知り得ない、恐らく禁術に指定されているであろう強力な効果を持った術で…そんなものを解除する手立ては俺には無い。

「まあ待て、双葉。そいつはこれから俺の仲間の物になる大事な肉体なんだ。無暗に傷を付けられてしまっては困るな」
「も、申し訳ございませんご主人様!奴隷風情が出過ぎた真似をしてしまい…み、見捨てないで!これからもご主人様のおそばにいさせてください!」
「そう取り乱すな。その程度のことで俺が双葉を捨てるわけがないだろう? お前は俺の大事な手駒で、大事な性玩具なんだ。その器が壊れたとしても魂だけは永遠に使ってやるからな」
「~~~っ♥もったいないお言葉をありがとうございます!わたしは、双葉はお優しいご主人様に仕えることができてこの上なく幸せです…♥」

清彦は自分の肉体を奪った悪霊にすり寄り、露わになっている胸を揉みしだかれながら甘えるような猫撫で声を発していた。
そこに俺の知っている清彦の面影はなく、既に魂の形までもが完全にラブドールの姿へと変わってしまっている。
仮にこの悪霊を祓って清彦の肉体を取り戻すことに成功したとして、果たしてこうなってしまった魂が元に戻れるのだろうか…。

9b04979f No.531

「どうだ、愛らしいだろう?こいつの中で俺は『人形だった自分に命を与えてくれたご主人様』ということになっていてな、過剰なまでに俺に依存しきっているんだよ。まったく、困ったものだ」
「…………」

悪霊は清彦の顔に悪辣な笑みを浮かべながら、その手は相変わらず清彦の豊満な肢体をまさぐっていた。
明らかに舐められていることに腹が立つが、それだけの余裕を見せていられるほどに相手が圧倒的に有利な立場にいることも理解している。
だが、俺にはこの状況を打開する方法が残されている。奴の余裕がそのための隙を生んでくれる瞬間を、俺は親友が身も心も辱められている光景に耐えながらじっと待ち続けていた。

「せっかく口を自由にしてやったというのにだんまりか。まあいい、仲間が自由に動ける丑三つ時まではまだ時間があるからな。それまでは俺と双葉の行為を見ているといい」
「よろしいのですか?またわたしにご奉仕をさせていただけるのですか…?」
「ああ、良いところで邪魔が入ってしまったからな、そのせいでもう我慢がききそうにないんだ。早くお前の自慢のその胸で俺のモノを慰めてくれ」
「もちろんです、ご主人様っ♥ふふ、ご主人様の熱いおちんちんがおっぱいの間でビクビクして…んっ♥嬉しすぎてわたしもイっちゃいそうです♥」

悪霊の命令を受けた清彦はおあずけをされていた犬のように目の前のイチモツに飛びつくと、その豊満な胸で包み込んだ。
恐らく「元に戻ったらこの胸でパイズリされたい」などと言っていたことが影響してしまっているのだろう。
巨乳をたぷたぷと揺らしながら自分のモノだった肉棒を扱き上げている清彦の表情は幸せそのもので、上目遣いに悪霊の顔だけを見つめては蕩けるような笑みを浮かべていた。

9b04979f No.532

「射精すぞ双葉っ!その無駄にデカい胸でしっかり受け止めろよ!」
「はいっ、もちろんです♥あはっ♥ご主人様の精液が注ぎ込まれてるぅ♥」

悪霊が射精したその時、男なら必ず無防備になる射精の瞬間こそが俺が待ちわびていた隙だった。
俺は奥の手である幽体離脱の術を使い、術で身動きを封じられていた肉体から抜け出て魂だけの姿になっていた。
これを使ってしまえば俺の肉体は無防備になり、下手をすれば奴が言っていた"仲間"とやらに乗っ取られてしまうかもしれないが、今はこれ以外に方法が無い。
魂だけになっても何とかこの場を逃げ延び、遠くにいる師匠に事態を説明して助けてもらうことこそが俺に残された唯一の勝ち筋だった。

悪霊の注意は完全にこちらから逸れているようで、逃げようとしている俺に気付く気配もない。
部屋の壁を通り抜けて隣にあった寝室に入り、そこから窓を抜けて外に出ようとして…ガツンと、魂である俺なら通り抜けられるはずの窓ガラスにぶつかった。

「は…?ど、どういうことだ?」
「大事な親友から逃げようだなんて随分と寂しいことするじゃねえか。もう少しゆっくりしてけって」

寝室の入り口から清彦の声がして…振り向くのと同時に俺の周囲が結界で覆われ閉じ込められる。どうやら俺の目論見は最悪の形で失敗してしまったらしい。

9b04979f No.533

「…部屋の周囲にあらかじめ結界を張ってやがったのか。幽体離脱の術だけは清彦にも教えてなかったってのに、何故分かった?」
「そこはまあ信頼ってやつだよ。俺に無い才能を持ってる敏明ならこの状況を打開する何かができるんじゃないかってな。警戒しておいて正解だったぜ」
「ぐっ…き、清彦の真似なんてするんじゃねえ」

一瞬あの清彦に認められたような気になってしまったが、すぐにこいつが親友の肉体と記憶を奪っているだけの悪霊だと思い直して憤りを覚える。
肉体を奪われた清彦を救うためにはこいつを祓わなければならない…が、もはや俺に為すすべはない。
魂すら通さない結界の中に封じ込まれた俺は、浮遊したまま元居たリビングへと連れ戻されていた。

「それにしても、まさか悪霊でもないのに幽体離脱まで出来ちまうとは。流石、魂を扱うことに秀でた降霊師をやってるだけのことはあるな。便利そうだし俺にも教えてくれないか?」
「…………」
「ははっ、まただんまりか。まあいいさ。降霊の術のやり方も含めて、元々お前のカラダに直接教えてもらうつもりだったしな」
「なっ…お前、俺の身体に何を…!?」

魂が抜けた俺の肉体に悪霊の手が触れた瞬間、動かないはずの全身がビクビクと激しく痙攣をし始めた。
何かに拒絶反応を起こしているかのようなその動きは次第に緩慢になり…数分後、俺の肉体が再びピタリと動かなくなるのと同時に悪霊が清彦の顔でニヤリと笑う。



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